iMacのアーキテクチャ

コンピュータのアーキテクチャといえば、やれキャッシュがどうとか やれバスの構造はどうとかいうことを連想しますが、このページは 大半が『柔らかくて、半透明』っつーこと(本当の意味でのアーキテクチャだね (笑))に費やしてしまいました。

計算機的中身の話なんかはまあ、パソコン雑誌などの方が詳しいでしょうし。 簡単接続?

購入直後家に持って帰ってきて、 まず私がやったのは何だったでしょうか。

『分解』と答えたあなた、残念でした(笑)。

当然ストップウォッチ片手に、CM(※ アメリカで流れた比較広告) みたいに組み立ててネットに接続 してみましたね。私は件の12歳児ほど腕力もないし頭が良くないので、 組み立てはまぁ5分で終わりましたが、ネットへの接続(各種ユーザ情報を ちゃんと詳細に設定して、既存のプロバイダの情報を設定して、 ユーザ登録が終わるまで)25分ほどかかりました。12歳児の13分には遠く及ばず (笑)。

まぁ最初にこの『簡単接続』っつーか、ソフト的な面に関して言えば、実は これ、Windows95 (OSR2)やWindows98(インターネット接続ウィザード、 オンラインサービス、オンラインユーザ登録)でもさほど変わらない、というか むしろあっちの方がsimplifyされている面もあって、比較広告になるネタでは ないと感じましたね。 組み立てが簡単? 実は18kgのラップトップ

では比較広告のもう一方の主眼、『組み立てが簡単』なことについては どうか。これは日本でも流れた『unPC編』のCMのバックで、ごちゃごちゃした PC互換機のケーブル、対してiMacの後部、と比べると、確かに簡単である。

だけど比較している基準が違う場合比較にならないというのは、科学の常識である。 CMで見るからに、後面から外部に延びているのは、 マイクやスピーカに伸びていると思われる線(これは iMacでも内蔵のマイクやスピーカの音質に不満を持てば、必然的に加わる線である)、 SCSIかなんかで接続されている多分CD-ROMへの線(iMacではつなぎたくてもつなげ ない(笑))、キーボードやマウス(iMac同様にしたければUSB接続にして、 HUBで分岐させれば後部はああはならない)などである。 違いはわずかにディスプレイを接続する線だけである。

これらがデフォルトで省略されているとすれば、PC互換機でも実は比較対象は ある。ラップトップパソコンがそうだ。ディスプレイ、スピーカやマイク、 CD-ROMドライブが内蔵(唯一iMacと違って接続しなくて良い(笑)のは、 キーボードやポインティングデバイスまで内蔵なことだ)なばかりか、 近年ではUSB接続が可能、FD省略でオプション、なんてとこまで 似通ったマシンもある。

つまり、当て込んでいるユーザ層の項でも 述べたが、これはラップトップをばらしてケースに入れ、液晶でなくてCRT を内蔵させ、電池ではなくACで動くようにしたマシンに他ならない。 時代を先取りした思いきった設計思想、などと褒めそやされてはいるが、何のこ とはない、近年出現しつつある『一台目でラップトップを買うユーザ』の思想を 横取りしたわけである。

これと同じと思えば逆に腹も立たないが、唯一問題があるとすれば 購入当日にも苦労した18kgという重さである(笑)。 ラップトップはどう頑張って重くしても今日日は4kg程度である。 女子供にも使わせよう、というのだったら、もっと軽くしないとダメである。 12歳児が軽々と持ち上げるCMはJARO行きである(日本で放映してないらしいが)。 柔らか系

さて、たりゃときたら分解、分解といったらたりゃである。 今日はまだ初日なのであまりばらばらにはしなかったが(笑)。

ここでは既にあるページ

と重複したことは、書かない。

筐体のポリプロピレン(だっけ)というのは、皆『透明であること』に目を奪われ ているが (ちなみに『スケルトン』という言葉が流行っているが、どこが骸骨なんだ ろうか。辞書引け辞書)、その実『柔らかい』ということが非常に革新的である と思う。しかもプラスチック = 力を加えると割れる、と思われがちであるが、 実際には女子供には持てないくらい重い、そんな筐体が間違ってごろんと 寝転んでも、無論良く知られているようにハンドルを持っても、歪むだけで 割れはしない(力を除去すれば元に戻る)ような、ものすごくしなやかで強靭な 材質である。薄くて剛性のあるマグネシウム合金で身を包んだVAIO系の ラップトップとは逆でこれまた成功しているところが非常に面白い。

問題があるとすれば、石油(※ マグネシウムは掘れば掘るだけ出てくる) 消費していいのかな〜?(笑) まあ従来のパソコンにもプラスチック多用の ものが多いけど。っていうか、リサイクルをきちんとすれば 良いのだが(この辺は3年後、5年後にiMacがゴミになる世代に問題になってくる だろう)。

あと流行りに乗って心配なんかしてみると、 環境ホルモンだ。iMacのMLで、「子供があのおいしそうな マウスを嘗めたら?」という質問があったが。 実際にはそれほど過敏になる必要はないらしい。マウス嘗めたくらいで 精子が減ったり巨乳になったりするようでは、缶ジュース(内側がコーティング されている)も飲めない。

ちなみに『環境ホルモン』という不適切なテクニカルタームの使い方をされる ときの生物学者の割りきれない想いというのは、 『ホームページ』という不適切な言葉を使う奴の発言を我々計算機屋が目にする ときの想いに似ている、らしい(笑)。

で、iMacは実にクサい(笑)。箱を開けるとぷ〜んとこの環境ホル……いやいや、 多分プラスチックの硬化剤の臭いが残っているのだろうが(多分人体に問題ない 程度であろうが)、iMac設置後1週間くらいは部屋に帰ってくるとiMac臭かった のである。 「えいやっ」が楽

話を元に戻す。 こういった素材ではあるが、実はあるひとつのことに貢献している。

それは筐体の造りがいい加減な米国製(日本に入ってきたのは中国かどこか? で製造したようであったが - 日本以外製は多かれ少なかれそうだっつーことだ) の、ネジ穴の合わなさを、この柔らかい素材でカバーしている、ひいては 製造がらくちんになるということなんでしょうねー。

Sunなどのワークステーションを分解したときと、富士通・NECなど『日本のあり ふれたパソコン』を分解したときに大きく違うな、と感じるのが、製品の精度 (特に機械的な)である。良く言われるが、日本人は車のラインなどで 例えば許容範囲がプラスマイナス5%のメータで検査するとき、 ぴったり真ん中に調整する。誰に誉められるでもなく、真ん中に調整すると ボーナスが出るわけでもないのに、一種「真ん中の線に合わせないと気持悪い」 (ほら、日本人のあなたなら分かるでしょ?(笑))感覚が生来、身に付いている。

対して欧米人は、5%の範囲に入っているとハイ次、入っていないと 針がこの範囲に入る程度にぐりっと調整部分を回してハイ次、なのである。

この辺は日本が戦後、『日本的QC (品質管理)』で成功した理由と通ずるとも 思う。もっとも近頃の日本人はけっこーいい加減だけどさ(笑)。

ただしこれは日本人を誉めているわけではない。つまり筐体精度など どうでもいいからどうでもいいのである(笑)。筐体が歪んでいないから 回路の接触抵抗が増えるわけでもバスにノイズが乗らなくなるわけでもない。 コンピュータに限って言えば、機械的精度がいい加減だから全体の性能が 落ちる部分などというのは、ハードディスクの内部くらいしかないだろう (事実、富士通や東芝などのハードディスクは、経年劣化が シ(禁止)や(検閲)ヮ(削除)などのハードディスクに比べて明らかに 少ない)。

米国製のワークステーションや台湾製PCケースの造りというのは、 大工の建築に似ている。 精密な設計図はあるのだが(あ、ここは大工と違うか)、概ねの位置あわせをして 最後は「えいやっ」ではめるのである(笑)。

話を元に戻すと、iMacもこの例外に漏れていなかった。 マザーボードユニットを取り付ける2本のネジなどは、筐体がプラスチックであ るため、激しい精度でずれていた(ネジ穴の直径分くらいずれていた)にも かかわらず、「えいやっ」が金属性ケースのそれより格段に楽だったのだ(爆笑)。 あ、もっともこれは整形で得られる精度が、金属よりプラスチックの方が不利だ、 というのもあるかもしれんけどね。 箱根細工とエンジニア的『モノの造り』

プラスチック話はまだまだ続く。

当初、iMacにメモリモジュールを取り付けるときの一番の難関は、 プラスチックの裏蓋を「ばっこん」と開けるときに、 『尋常ならざる力』((C) Apple Computer Inc.)を加えなければならない、と されていた。

私も心して分解したのだが、実は1本目のネジを外して、プラスチックの 裏蓋を「かぱっ」と外して、さてどこが「ばっこん」の蓋なんだろう、と 探してしまった。 つまり、力を加える点と方向が、普段工作をやっている人なら 当たり前に分かるように、ごく簡単に外れる(それでいて頑丈に)作られて いるのである。

同じことは、横のUSB・イーサ・電話線などを出すところの蓋(丸い穴が 空いており、誰でも開ける。というか開けないと話にならない)についても 言える。穴に指を突っ込んで前方に押すように開ければ小指でも簡単に開くのだ が、この『蓋の挙動』が分かっていないと、てこでも開かない。

話は20年ほど戻るが、私が(確か)初めて組み立てたデジタル機器は、電卓であっ た(笑)。とはいってもキットで、1/10インチピッチ程度のLSIを取り付けたりす る程度ではあったが。このキットが届いたとき、私は嬉しくて、ほんとは 組み立てたボードを入れてからはめなければならない、ケース上下のプラスチッ クをぱちんとはめてしまった。どうやっても外れない。

その晩、私が寝てから帰ってきた親父が難なく外してくれたのだが、 このとき私に『プラスチックの箱ははめるのが楽で外すのが難しい』 というルールが生まれる(笑)と同時に、親父(文系だが工作は滅茶滅茶得意だ。 こういう人をエンジニアリングセンスがあるという)にできてなぜ私にできなかっ たのか、『プラスチックの箱』を外す修練を積んだ。というのは半分 ウソだが(笑)、事実私は今でもLibrettoの液晶モジュール部分を外す のが得意だったりする(笑)。

さて、iMacも実はこのわたし的ルールに従っており、組み立てるのは(多分)簡単 だが、プラスチックなモノの挙動を知らない人が外すのは困難だろう。前述のように しなやかではあるがやはり必要以上に力を加えすぎると割れる部分も出て来るだ ろう。

あまりくだらない話ばかりしていても読者が飽きると思うので、例の 「ばっこん」部分を「かぱ」と外すコツだ。

これに先だってネジを一本外さないといけないが、これは下部のハンドル の中央にある。まさかそのためにつけたのではないだろうが、このハンドルを ボディー下部(垂直よりはちょっと後ろ)に引けば、まず後ろ半分はかぱっ、であ る。前半分はしっとりとくっついているので、やはり後ろ方向に少し引くように して剥がす感じで引っ張ると、そんなに力を加えなくてもどってことはなく 開く。

逆に注意しないといけないのは、すなわちこの後方下部のハンドルは、 持って運ぶときに重さをかけてはいけない、ということだ。ここにかけた 力はそのまま、他のプラスチック接合部の爪に分散されることなくストレートに この『唯一のネジ』にかかる。長めのネジではあるが、18kgはつらい。 間違っても後方下部のハンドルだけで持ち上げるようなこと (というか上部ハンドルの力の一部でも下部ハンドルに分散すること)があっては いけない造りになっていると思う。

その他、iMacの分解をするときには、よくよく接合部を見て(幸い Zipドライブの時と違って、 半透明なのですぐにわかる)、プラモデル的には(接着はしてませんが) どうやって開けたらいいのかな〜、と考えてみることである。 中にはキーボードのようにはめ殺しっぽい (組み立てたら最後、もう分解することは想定していないっぽい)ところも ある。