Wow:tw:bbq
出典: Tariki
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愛BBQ
台湾人は烤肉 (焼肉のこと。またはBBQと書いてバーベキューと読む) が好きだ。いろいろ変なシーンを目撃しており、喋りはじめたら半期12コマくらいの授業ができそうであるが、以下に衝撃の愛BBQコーナーをつくってみる。
コンビニ前でBBQ
これは私が最初に台湾に行ったときのことだ (それもかなり旅程の最初のほうだったと思う)。コンビニの前に七輪のようなセットを広げて、道に座り込んでレトルトパックの焼肉 (これはコンビニで購入したものだと思う)を喰っている若者がいた。大学生くらいの年齢である。
と、この目撃談は台湾人に話してもなかなか信じてもらえないのだが(笑)。そりゃそうだ。いくら焼肉を愛する国民といっても、首都であり大都市の、大きな道路の歩道で焼肉である。前が大学だったこともあるし、奇をてらって (いわゆる『ネタ』) 歩道で焼肉していたのかもしれないなあ。
あ、そういえば。私も若い頃やったっけ。近所の公園で焼肉。散歩中の犬が寄ってこようとするのだが、飼い主がなぜか犬を無理やり引っ張って遠くのほうを、うかがうように歩いて通り過ぎてたっけ(笑)。
動物園でBBQ
日本の公園にはなかなか『焼肉禁止』の札がない。『火気厳禁』ならありそうだが、それだと夏の花火をも禁止してしまうことがあるので(よっぽど民家のそばの狭い公園でもなければ普通は花火OKだ)、それをいいことに私はバーベキューをしたわけだが。
台湾の公園は、放っておくと皆バーベキューをはじめてしまうからか、はっきり『禁止烤肉』(焼肉禁止)およびそれに伴うアイコン (まあだいたい網の上に肉が載っており斜線。とか書いておきながら観た記憶はないのだが) の看板が立っていたりする。
ならば焼肉ができる制限エリアを逆に作ってしまえばそれ以外のところで焼肉はしないだろう、というのも自然な発想だ。『喫煙区』を作るのと同じである(笑)。焼肉ジャンキー。
ところが、台北動物園で『烤肉区』がはっきりとあるのには驚いた。そう、ここは動物を愛でる園。そこにピクニックに来てひとしきり「牛さんかわい~」などといった後で牛さんを焼いて食べるのである。
同様に、水族館(といっても民営の小さいのであるが。士林の近く)で『この先食べる水族館』と書いてあったのも、ちょっとなんだかな、と思った。ただの水族館の食堂なのだが、やっぱり「マグロかわい~」の後でマグロ丼を食べたりするんだろうか (いやマグロ丼はないと思うけど)。
人間は、他の生き物(植物も含むよもちろん)を殺さなければ生きていけない業を背負っている。というのも大げさだが、考えてみりゃ日本人もやってるよなー。お堀の鴨に矢が刺さった、皆で助けよう、とか特定の個体の救出に血道を上げておきながら、お昼は鴨南蛮。
還暦にBBQパーティー
今年(2007年)、うちの家族旅行をした後で、私と嫁だけやや長めに残った。義父が還暦だというので、親族を招いてパーティーをしよう、ということなのである。主催は嫁とその兄弟。内容は、BBQ(笑)。台中の近所の、飛牛牧場というところに、バーベキューエリアがある。そこを予約したらしい。
前日には、バーベキュー専門業者(そんなのがあるのだ)と打ち合わせである。要は、バーベキューセット(そんなのがあるのだ) に出かける日の朝に、高速の料金所付近で待ち合わせをして、セットの受渡しをしよう、という連絡である。
朝は主催組である嫁・弟・弟嫁と一緒に、ちょっと早めに出かけた。まずは待ち合わせ場所で業者にお金を払ってセットを受け取る。ダンボール2箱だった。
飛牛牧場につくと、3Dの牛が空を飛んでいる看板。その他のひとびと (30人くらい) はご招待なので、入り口(入場料がかかる)で他の人の名前リストを渡して、このひとたちが来たらただにしてね、といってお金を払っておく。
バーベキューエリアはまあ普通だった。日本でも羽田空港のそば (城南島海浜公園) など、石造りのやぐらというか、バーベキュースタンドが常置してあるバーベキュー場があるが、それみたいなものである。結構寒いのに、われわれのほかにもう一組、バーベキュー場を利用している。
セットをあけてみてまずびっくりした。燃料、着火剤、網や箸や皿などのほか、ぎっっっしりと肉だ魚だ野菜だと調理済みの真空パック(それも半冷凍してある)が入っている。
説明しよう。台湾ではバーベキューといったら、肉や野菜をそのまま焼く、ということはまずない。事前に秘伝のタレなどに漬け込み、かなり美味しい食材(あとは火を通すだけ)として持っていく。日本では、もちろんバーベキューの下準備というのはするが、野菜を洗ったりたまねぎを輪切りにしたり、要するに『外の貧弱な環境で調理するから(凝ったところで)仕方ない』という前提の下にあきらめが入る。『青空がスパイス』であって、例えば食べ残し(焼いたの)を家に持ち帰って喰ったら、どうなるか。生焼けはあるわ焼けすぎで焦げてるわ、で喰えたものではない。味などついていないから、玉ねぎの生焼けの辛さも椎茸の焦げた苦さもすべて包み隠す強烈な『エバラ焼肉のタレ』に喰う直前に浸すわけだ。台湾ではそういった妥協は一切許さない(ような)のだ。それどころか、家の中では得難い炭火の強火であることを利用した、きちんとした肉料理の一種だ。台湾のバーベキューで焼いたものを持ち帰って食べても、多分そこらの焼肉弁当よりは美味しい。
さてさて、ゲストはなかなか到着しない。火を起こしたが、いくつかパックを空けて焼いて食べることにした。うんまい。火力も強いので段々腹いっぱいになってきた。
そうこうしていたら、ゲストがどんどん到着する。その後はもう、支離滅裂なパーティーであり、小さい子は凧揚げを始めるわ大人はを飲み始めるわ、飽きてくると牧場見物にいくわ。いわゆる台湾の結婚披露宴などの『ふつーの』パーティーであるが、ここで書くにはちょっとテーマが違いすぎる。
料理関連のネタだけでいえば、まず私が用意したわずかの酒などは、ゲストが持ち込んだ大量かつ強い (高粱酒などは40度くらいある) 酒でオーバライド(上書き)されてしまった。用意していった酒はビールを若干である。あまり飲むひともいないしドライバーも多いし。と思ったらドライバーであるはずの(以下検閲削除)。
次に、大量と思われた30人前からのバーベキューセットは、持ち込み料理であっさりオーバーライドされてしまった (というより残った)。まず強烈だったのが、本当の秘伝のタレに漬け込んだような、でっかいロースと思われる肉。これを親戚のおばさんが丹念に焼く。焼き立てを切って皆で突付く。いやー本当にうまかった (すでにセットのBBQを喰っていてあまり喰えなかったのだが)。
極めつけは、鍋料理である(笑)。家で調理してきた焼酒鶏 (炒めた鳥を米酒たっぷりのスープで煮たもの)である。別々の家庭から2鍋 (小型の寸胴といっても過言ではないサイズ) 持ち込まれた。小型ガスボンベ (カセットコンロなどではない。屋台のボンベを小さくしたようなやつ) を点火して、暖めなおしてサービスする。いやもう、体は温まるわ屋外でこんな本格料理を食べられるわ、でびっくりである。
といった料理が並んだ暁には、真空パックのBBQはほとんど消費されないわけで、結局パックは皆で分けて持ち帰ることに。
離島でBBQ
2000年? に緑島に旅した。台東海岸から見える、4km四方くらいの島である。この島のレジャーについてはまた別項で述べるが、印象深かったのはこの島の名物料理屋である羊肉爐(羊肉の鍋)の『東昇羊肉爐』(料理が名物なのではなく店が有名)と、泊まった民宿のすぐそばのバーベキュー屋『海櫃BBQ』である。
店はオープンスペースで、まるで洗濯物干し台みたいなテラスにバーベキュー台がいくつかある。
絶景のリゾートアイランドで何もバーベキューしなくても、と思ったのだが(笑)、なんとここの店のバーベキューの味付けは絶品であった。上の項目で分かるように、バーベキューといっても肉や野菜を切っただけ、ではなく『秘伝のタレ』が勝負どころなのだが、若い主人も自慢するように、オリジナルのタレを工夫して作っているという。
だから観光地でわざわざバーベキュー、なのではなく、せっかく景色がよいところに来たのだから食べ物の味も良くなくてはね、という台湾人気質が感じられる。
ちなみに緑島のアクセスは、台東から飛行機(5分ほど)と高速フェリー(1時間ほど)が出ているが、このときは行きは飛行機、帰りはフェリーを満悦した。台北に泊まっていたので、台東往復も航空機である。帰りに台東空港で飛行機を待っていたら、海櫃BBQの主人も飛行機を待っていた。きけば旅行代理店? のような仕事もしていて、しょっちゅう台北と往復していろいろ仕入れたりするという。離島で『こだわりの』バーベキュー屋を営みながらビジネスマン。こんな暮らしも悪くない。
中秋の名月はBBQ
嫁の友人が日本にやってきた。仕事が終わったころ、自由が丘 (ここはときどき嫁と焼肉を喰いにいく、お気に入りの焼肉屋がある)で焼肉を喰わないか、というお誘いの電話があったので、合流した。
喰い終わって空を見上げたら満月、中秋の名月であった (実際は次の日だったかな)。日本では団子を供えるんだよね、とか話していると、「ちょうど中秋の名月に焼肉を喰ったねー」とか言う。ちょうど? 台湾では、中秋の名月はBBQだという(笑)。
え、それってどういう習慣? とかきいていると、どうやら嫁と友人も、小さいころはそういう風習なかったよねー、という。バレンタインデーにチョコ(こっちは古いが)とか、節分に手巻き寿司を(これはいったい誰が始めたんだ? ここ3年くらいだよね)、みたいな、『人工の風習』で、それも最近の習慣らしい。
月はいろんな国の上を巡回しているわけで、日本で団子を喰ってから台湾で焼肉を喰ったら太っちゃう。だから中秋の名月は満月なのだ (誰がうまいことを言えと)。
