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出典: Tariki

目次

擬装と擬態

ふっふっふ。にせものを作る工作こそ私の得意技。伊達にEarth Wind & Fireのにせものコピーバンドでダースベイダーのにせものの着ぐるみを作ってはいない (本物のEarthはダースベーダーじゃないんですけどね)。

擬態概論

キャッシュのコンテナを擬態させるのは、キャッシャーからみつかりにくくするというより、マグルがチラッと見て見つけられない、あるいは認識してもごみだと思われないようにする目的のほうが大きいでしょう(なんだ、やっぱりみつかりにくくするんじゃ)。

自然の中、たとえば枯葉の上や木の中に白いプラスチックのタッパーがある、というのは、やはり目立ちます。塗装はみなさんよくされているようですが、いくら色が溶け込んでいたとしても、人工物的な角丸直方体があるのは目立ちます。

擬装コンテナだけで防水性を保つのも至難の技です。たとえばGroundspeak製の石擬態マイクロコンテナは、それ自体で防水性を保てるようにできていますが、素人工作ではこんなのは難しいです。擬装カバーと内側ケースに分けて考えましょう。その場合は内側ケースの固定方法も考える必要があります。

それからフェイルセーフは施しておきましょう。たとえば良くできた擬装ケースの内側にただのタッパーがあるとき。キャッシュを戻してくれるハンターがはみださずに戻してくれるか (逆に入れてもOKか)、擬装ケースが落ちたりはしないか。ハンターを疑うわけではありませんが、キャッシュハンターはコンテナ作者と違って、初めて見て一回しか使っていません。台風や地震(笑)などで落ちる場合もあるでしょうし某公園では隠し場所の大木が倒れているのを見たことが (ってそんな大事故ならアーカイブだよ)。周囲にマグルがいて急いで戻すこともあるでしょう。そんなときにタッパーが黒塗装されているか白いままかで、そのキャッシュの寿命も違うと思います。


塗装する

接着の項で詳しく述べますが、タッパーはポリプロピレン製が多いので、接着・塗装ともにほとんど効きません。はじめから茶色とか濃緑とか黒の (顔料を混ぜ込んだポリプロを成型した) タッパーがあればよいのですが、タッパーや弁当箱はたいてい、半透明か食欲をそそる色です。世の中の99%の需要は食物を入れるためであり、わけの分からないおもちゃを入れて木のうろに隠すためにはタッパーは使われないのが現実だからです (そういう意味でGroundspeakの純正コンテナは貴重です)。

ポリプロに接着できたと思っていても、表面の細かい凹凸に固まった接着剤がはまりこむ摩擦でひっついているだけ、ということです。塗装は接着よりはがっちり着きます (接着される塗料もミクロン単位の薄膜ですから) が、屋外で雨ざらしになりますし場所によっては出し入れの摩擦ですぐこすれ取れるでしょう。やはり木・鉄にペンキを塗ったような頑丈さはありません。

本質的に粘着テープ・ビニールテープの糊は効くので、目的の色のテープを巻く (ビニールテープを巻いてウレタン塗料などビニールOKの塗料を塗る) とか、内装用のシールを貼るというのがよいようです。ただしこれらの糊は、年数が経つとべたべたになるので (ビニールに含まれる可塑剤が原因だと思う) 数年おきに貼りかえる (剥がして糊をエタノールで落とし貼りなおす) 必要があるかもしれません。なおビニールの上から塗料を塗るのも、べたべたになるのであまりお勧めできません。

色は、あまり周囲の色彩に合わせようとするより、明度(例えば白黒写真を撮ったときに同じような明るさ)を合わせる方が目立ちません。色を厳密に合わせたところで、人工物ならまだしも自然物では季節が変わったら周囲が茶色からグリーンに変わったりとかしますし、枯葉なんて結構いろいろな色があるもんです。塗料と自然物では光線の反射率(色ごとのスペクトル)も違うので、例えば晴れているときにそっくりの色でも、夕焼けとか曇り空では浮いて見えるということがあります。

このへんは、軍隊の明細塗装を研究してみれば分かります。でたらめな模様だけど不規則で、茶・緑・灰をベースにした暗い塗装。

以下でいろいろ書いていますが、はっきり言って黒塗装には敵いません(笑)。タッパーだと塗料が乗りにくいので黒ビニールテープでぐるぐる。太幅のもありますから手間もたいしたことありません 。

植物系の塗装

自然物の模様というのは、『模様の細かさ』(フラクタル次元? 空間周波数?) が合っていれば、おおむね目がだまされるものです(昆虫や魚の擬態に学びましょう)。こういうのは木目とか石の表面の文様をコピーするときに気にします。

意外にも見落とされやすいのが、木のフェイクなどを作るときに茶色ではダメ、ということ。樫・桜系はどちらかというと幹がグレーですし、クリーンな環境で育てたら茶色になるはずの樹木の幹も、実はびっくりするほど緑の成分が多い(苔・カビなど)というのは、フィルムカメラで森を撮影してみれば分かります。

  1. ベースを茶色のスプレーで塗ります(つやありでもOK)。プラモデル用のアクリル・エナメル塗料だと高く付くので、ホームセンターの安物(建築物・工業製品を塗る目的のもの)を使いましょう。
  2. 木の種類によりますが、黒、黄色・オレンジなどのプラモデル用塗料で紋を描く。
  3. アクリル用のマットベースにシンナーを入れて薄めて塗ると、白カビになります。緑を混ぜると苔・緑カビになります。マットベースは本来、つやあり塗料に入れてつや消しにするものであり、上から塗ると粉を吹いたようになるのでご法度ですが、それを逆手に取るわけです。
  4. 場合によっては枯れた蔓などをエポキシで貼って出来上がり。

石目の塗装

石目模様に塗装できる塗料というのは日本ペイントから売られています。二度塗りが必要。大理石系であれば一発でそのまま使えます。というか、謎のテクスチャなので、周りにほんものの石があるところでこれだけで通そうとすると、かえって目立ちます。その場合は隠し場所を変えるか、周りの石を砕いてコンテナに貼りましょう(そこまでしないって(笑))。

ただしこれ、水性塗料なので雨ざらしになる場所で使う場合は外から保護塗装が必要です (固まってしまえば関係ない気もしますが、現に剥がれているのをみたことがあります。被塗装材がポリであるせいかも)。しかし保護塗装をするとつやつやになってしまって目立つので……悩ましいですね。


植物系に擬装する

偽の植物を使う

偽の植物 (偽の観葉植物、植物様のメッシュ、人工芝など) を貼ったコンテナというのは数回みたことがあります。これは隠し場所によるのですが、かえって目立つ場合もあります。私は実は準備だけはしたのですが、一度も実用に供したことはありません。

木目シートとコルクシート

これは家の中におくと一見、エコ(笑)な感じがしますが、大自然の中ではかえって目立つかもしれません。

マグられたコンテナの出来。
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マグられたコンテナの出来。

私の唯一マグられたコンテナは、擬装をこれにした直後、マグられました。結構気合入れて作ったので、悲しい。まあダメダメだったってことですね。

なお木目シートは強力粘着(内装用。台所などでも使うから耐久性はある)なのでポリ容器にぴったりではあります。コルクシートはそれ自体では粘着力がないので接着剤が必要ですが、ポリプロだとくっつきません (接着の項参照)。また粘土が低いものだと乾くまでの間に吸い込んでしまいます。これらを勘案して写真のコルクシートは、蓋に被せるようにややタイトにして、周囲の部分をセメダインCで固めてあります。

コンクリートで木を擬態

後述『コンクリート』で紹介した、タモリ倶楽部を観ての『コンクリート製の木』です。

コンクリートで作った樹 (現役コンテナなので部分的に紹介)。
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コンクリートで作った樹 (現役コンテナなので部分的に紹介)。
  1. まず剥がれ落ちるかもしれないのを覚悟で、円筒形のタッパーをひっくり返して周囲にコンクリートの壁を作っていきます。必要なら下層が固まった後に上塗りをしていきます(構造物的にはご法度かも)。厚いところでは1cm弱あると思われますが、上部など後で地のポリプロが見えていたところがあったので、平均数mmかもしれません。面白いことに500ml弱のタッパーで、中が空洞で外側がコンクリートだと、このくらいの厚みではちょうど同じ大きさの木の重みと同じくらいになりました。
  2. 木目は上記タモリ倶楽部からの技で、ビニールシートを引き上げながらシート越しに押して凹凸を付けました。細かいところは半乾きになったところで爪楊枝で削ります。
  3. 後は塗装の項で紹介する、茶スプレー→プラモデル塗料で木目→つや消しベースでカビ・苔を表現、トッピングに本物の森の木のくずやゴミを振りかけて乾燥させています。

なかなか力作だと思ったのですが、やはり現場においてみたら浮くわ浮くわ(笑)。かなり目立たないところに隠してきましたので (マグルの目を欺くなら黒テープと同じ程度の効果)、ジオキャッシャーが見つけたら爆笑してもらう意味くらいしかありません。

木の皮を加工する

なんだかんだ工夫してもほんものの植物には敵わない。というわけで、ほんものの植物(木の皮)で擬装しちゃいましょう、というのが本項の趣旨です。なおそのために木の皮をべりべり剥いできたりというのは自然破壊になるのでやめてください。公園なら時期によって剪定した幹が落ちていたり、自然にもげ落ちた太目の枝が落ちていたりするものです。まめに探して拾います。

なお、公園というのは場所によってずいぶん植生が違っています。キャッシュを隠す公園で拾うのが一番です

木の皮の加工

木は皮に限らず、水分と熱で変形します。したがって、加工する前には薄いものでは水で、激しく変形させることが必要なら80度くらいのお湯に漬けて加工します。

形をコンテナなどに沿わせたら乾燥させますが、乾燥しないうちに後述のエポキシを塗る工程などに入ると、接着できなかったり後から腐ったりすると考えられますので、よく乾燥させます。乾燥させると縮むため、内側に変形を止めるための縮み止めが必要です。コンテナが内側に入るなら縮み止めにコンテナを使えば良さそうですが、取れなくなっちゃったら元も子もない。そのうえ内側にはエポキシを塗ったりするわけで(コンテナがあると邪魔)、木の皮をコンテナにどう貼り付けるのか・コンテナをどう取り出すのかをよく考えて加工しないといけません。

変形を止めるためと防水のため・木の皮自体を長持ちさせるため、内側にはエポキシを塗るとよいでしょう。ただしこれは塗りすぎると外側まで染み出してきて木の質感が変わってしまいます(穴から染み出すぐらいなら汚らしい樹液みたいで(笑)かえって触りたくなくなるのでOK)。コルク状の木の皮は、染みていない部分は保護されないからぼろぼろになると考えられるし、染みるほど塗るとつやつやになっちゃうし。難しいところです。

コルク状のものにエポキシを塗る場合など単独では形を保つのが難しい場合とか、コンテナとの間に隙間がある場合は、芯になるものにエポキシを染み込ませて貼るか、発泡ウレタン(硬質)などを使います。

芯材は理想的にはガラス繊維(つまりFRPになる)がよいのですが、ない場合は古いTシャツなどでもよいと思います (なおガラス繊維は切断のときに粉を飛ばさないように気をつけましょう)。茶封筒のような紙も加工しやすく強度が出るのでOKです。

発泡ウレタンは隙間を埋めるのにも使え、厚塗りをしなくても厚さが稼げるので便利ですが、形を作りにくいです。また発泡中に接着したいものをのせると、その部分の泡が潰れて固めのゴム状のもの(柔らかいエポキシ)になるので、注意が必要です(逆に硬い部分を作るのに使えますが)。それから色がクリーム色で、木の隙間から見えると非常に目立ちますから、後ではみ出た部分の修正塗装 (黒・茶) は必須です。

これらを組み合わせて、紙芯を作って両面にエポキシで防水・補強、木の皮の裏面にエポキシで補強、その間を発泡ウレタンで隙間埋め (エポキシはウレタンとよくくっつく)、というような工作をしたのが写真の桜皮カバーです。

常緑樹系の幹

3mm~5mmくらいの木の皮がぺろんと剥がれてきます(森に落ちていることもある)。枝そのものが手に入ったら、乾燥させてひびをいれるか工具で一箇所を切断し、お湯に漬けて筒状の厚めの木の皮を得ることができます。

ただしこれ気をつけないといけないのは、湿度で変形するということ(笑)。らっきーにも太さがぴったりの缶などを入れると、乾燥した日には縮んで取れなくなり、雨の日にはべろんべろんに伸びて缶が抜け落ちる、ということが予想されます。ある程度はエポキシで固めれば変形は防げるのですが (大体エポキシを塗る工程で伸び、乾く工程で縮む)、やはり片面塗りだと湿度の影響はあります。いっそのこと一番縮んでも入る缶を上から通して、針金などで伸びないように留めるのがよいかも。

桜・樺
桜皮で擬装したコンテナカバー (これも現役キャッシュなので部分拡大図のみ紹介)。
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桜皮で擬装したコンテナカバー (これも現役キャッシュなので部分拡大図のみ紹介)。

秋田に樺皮(かば)細工という特産品があります。おそらく使っているのは名前に反して桜の皮ですが、桜が咲く公園に冬に行くとぺろぺろ剥がれた皮が実によく落ちています。

桜の皮は、硬い内側の皮と、もこもこしたコルク状の外側の成分に分かれています。自然に剥げ落ちたものでも1年以上経ったものはこのもこもこが取れてしまって実に美しい、つやつやの薄皮が残っているだけになっています。これを工芸に使ったのが樺皮細工ですが、はっきりいってそれでキャッシュコンテナを包んでも秋田名物・樺皮細工のコンテナにしか見えず、森の中では浮くこと請け合いです(笑)。

したがって落ちたばかりの、どちらかというと汚らしい皮を拾ってきて細工します。ただし内側に塗ったエポキシとか発泡ウレタンは外側に染みてこない(穴から染みる程度)ので、外側のコルク部分の固定・保護にはなりません。したがってこういう擬装をしたキャッシュコンテナも、2年くらい自然にさらしておけばやっぱり秋田名物(略)になるのかな、と思います。


石に擬態する

低温焼成粘土で石を作る

これは160度で焼結する粘土です。いちおう練りを加えて形を整え、1~2日乾燥させてオーブン(160度)で20分間焼く、という手軽さで、石のようなものが作れます。

低温焼成粘土・エポキシと硬質発泡ウレタンによるキャッシュカバー(裏面・未塗装)。これは場所がミステリなキャッシュなので思い切り公開。
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低温焼成粘土・エポキシと硬質発泡ウレタンによるキャッシュカバー(裏面・未塗装)。これは場所がミステリなキャッシュなので思い切り公開。

自然にできた石をよく観察してみれば分かりますが、石というのはあまり丸くないので、割れ目とか層状に剥離した状態を表現するためにあーでもない、こーでもないとこねてみると楽しいです。

ただしこれ、割とプラスチック質 (結合剤に樹脂を混ぜていると思われる) なので、こするとすぐに細かいテクスチャが取れてしかも白くなります。他の石と摺れるような場所に設置 (どんな場所だ) すると、あっという間に分かりやすい偽者になってしまうおそれあり。

またそのままだともろいので、やはり他の石・土の間に隠す場合などは、補強のためにエポキシを内側に塗ったほうがよいと思われます。磁器っぽくするための専用の保護剤もありますが、エポキシのほうが安上がりです (外側に塗るとつやが出てしまうので、磁器に擬装するのでもない限り外側に塗らないほうがよいでしょう)。

さらに約10%焼き縮みする (ほんものの焼き物を作ったひとは分かると思いますが、これは焼き縮みの率としては驚異的に低いです) ので、中にコンテナを入れる場合、その分を計算して作らないといけません。また隙間ができるとまったく変形しないため、大きめに作っておいて硬質発泡ウレタンなどでコンテナ押さえ兼クッションを作ったほうがよいかもしれません。

レンガ系に擬態する

レンガの大きさのブロックの発泡スチロール (園芸用) は、テクスチャがレンガ・石目のものとも安価にホームセンターなどで手に入ります。これはもともと、自然物と区別が付かないようにというのではなく、自然物に擬態したものを擬態しているので、他のレンガなどがごろごろ置いてある場所では、種類が違ってすら目立ちません。

これをくり貫いてタッパーなどを入れた場合、本物のレンガ・石より軽いですから、台風シーズンなどに飛ばされないように本物のレンガ・ブロックなどでおさえておくのがよいでしょう。少し現地の泥などで汚しておくとばっちり。時間があればベランダに晒して本物の苔を生やして……(そこまでするか)。

なおこれは石目・レンガ色の発泡スチロールがぎっしり詰まっているのではなく、あくまで表面を石目・レンガ色に塗装しているだけですから、切断したりくり貫いたりすると真っ白な発泡スチロールが出てきます。また屋外で使うので多分大丈夫だと思うのですが、経年劣化などで塗装が落ちないか心配です。

コンクリートに擬態する

擬態も何も、コンクリートを塗っちゃえばコンクリートそのもの。人工物がごろごろしているところならば、タッパーに塗っただけで立派な建築ゴミです (あとで掃除などで除去されないよう置き場所を考えましょう)。

小型の工作をするのであれば、30分で固まる(砂もいらない)コンクリートが手軽で便利です。このトーヨーのシリーズは、硬化時間1分(!)・30分・60分・4時間、防水や無収縮タイプなどもあり、1.3kg袋から手に入ります。水分を少なめにして平面で塗りつけるとコンクリート打ちっぱなしっぽいテクスチャが、水分を多めにして(乾燥に時間が掛かる)塗料を塗るように塗ればモルタルっぽい仕上げになるので便利です (これって左官の常識なのかな?)。

なおタモリ倶楽部(2010年3月)で放送してましたが、プロはコンクリートで木目から石目から作ってしまいます。やってみると、塗装を施せばそれなりに使えるます。『木に擬態』の項を参照。

コンクリートはやはり、タッパーには貼り付きにくいようです (というか水分を吸い込まないものへの親和性が低い)。また内側が変形しやすいもの (タッパーとか紙箱とか) では、剥離してしまう恐れがあります。コンクリートで壁を作っても脆くなりますし、芯材 (まさか鉄筋というわけにいかないからダンボールとか木箱とか) に塗りつけコンテナカバーを作るのが一番です。

ここでは紙箱で作った偽コンクリートブロックの製造工程を紹介していますが、これも耐久性は低いと思われるので注意 (期間限定な箱だったので採用しました)。


タッパーへの接着

タッパーはポリプロピレン製が多いです。これは塗装しても剥げやすいし、接着剤もほとんど効きません。これに対して両面テープやビニールテープ・ガムテープなどの糊は効きます。

特殊接着剤でポリプロ用というのがあります。商品名でいうとGPクリアというのがそうです。ただしこれ、ゴム系接着剤 (ボンドGなど) の系統みたいですから、やはりタッパー表面に磁石を固定する場合など接着を剥がす方向に大きな力が掛かる場合には使わないほうが無難だと思います (テープよりはまし)。

磁石の取り付け

塗装とはちょっと目的は違うけど、磁石を貼り付ける場合もテープで巻くしかなかったりします。

磁石(フェライト)を外側にビニールテープで取り付けた例。
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磁石(フェライト)を外側にビニールテープで取り付けた例。

磁石は表面(外側)に取り付ける場合、GPクリア系またはビニールテープなどでは磁石の固定が甘くなる (磁石を容器から引っ剥がす方向に力が掛かる) 反面、磁力が構造物にほぼ直接作用するので強力に着きます。内側に固定すると固定は安心 (磁石を容器に押し付ける方向に力が掛かる) ですが、タッパー等の厚みを介して磁力がかかりますから構造物への付着は弱くなります。

ポリプロ容器でも穴を開けてよければ、底に穴を開けて、穴と磁石を取り囲むようにエポキシ系の接着剤で固めるという手があります(つまり穴を通して容器の内外に紐をぐるぐる巻きにするのと同じ構造です)。これならポリプロとエポキシが接着しなくても、磁石は固定されています。ただし防水性が落ちます。

優れものは、マグネット・ジャパンで入手した希土類磁石に皿ねじ用のねじ穴が開いたものです。これならねじ止めできるので外側に安定に固定でき、さらに磁石が直接構造物に着きますので強力です。ただし容器に穴を開けるため、やはり防水性は犠牲になります。

防水かつ穴を開けても良い、というためには、タッパーを二重にするか(外側は磁石固定用・防水は内側でする)、ねじ穴用のスペースが別にある容器 (断面でいうとねじ取り付け用の空間と内部にモノを入れる空間が仕切られている) などを使います (例えば http://jp.rs-online.com/web/1195503.html のケースの構造はこんな風になっています)。

後者は屋外用のスイッチ・端子ボックスなどを構成するためのものが電気配線材料屋さん (例えばRSオンライン) で手に入りますが、高価なのとサイズがやや大きめ、擬装加工などがしにくいことが考えられます(屋外のスイッチ・端子ボックスに擬装するならこれ以上理想的なものはありませんが)。


型を取る

型をとってエポキシなどでニセモノ、いやオブジェクトを作る、というのは、別に偽装コンテナでなくても広く世間で行なわれていることです。いやほんとに(笑)、ネタで言っているのではなく、フィギュアなどを立体コピーする、傷んだカヌーやサーフボードのパーツを作る、自転車を軽量化するためFRPでパーツを作り直すなどという事例があります。私自身は、スチロールで出来ているラジコンヘリの羽をFRPで作り直したことがあります。もう20年近く前、とんねるずのオークション番組で、常盤貴子(だったか)の手をコピーした石膏像というのをみたことがありますし、男性自身をコピーするサービスとか有名人のソレとか(自粛)なんてのもみたことがあります。

閑話休題。そのようなキットは東急ハンズなどでコーナーがあるくらいですから、やってみたい方は一回、行ってみるとよいのでは、と思います。FRP (グラスファイバー布をエポキシで固めたもの) は軽量で丈夫、塗装も楽 (というかそれなりにメソッドが確立している) です。FRP製作法は、大きく言うと下記のようになります。

雛形があってコピーを作る場合 (1)

  1. ウレタンフォーム、シリコンゴム(よく知らない。立体コピーといって売られているもの)にオリジナルを突っ込みます。オリジナルが痛んでは困る場合は、サランラップなどを巻き、剥離剤を塗る(?)
  2. 固まったら現物を抜き取ります。凹凸が一方向にある(するっと抜ける)場合は抜き取るだけですが(それでも固まったコピー剤に多少の変形は必要)、立体が複雑な場合は切断して抜きます
  3. 切断したら元通りに戻して、PVA剥離剤などを塗布します
  4. FRP製作。つまりエポキシを塗ってグラスファイバー布をかぶせエポキシを塗って…を繰り返す

雛形があってコピーを作る場合 (2)

外形だけコピーすればよい場合はこちら。

  1. 雛形の外側にサランラップを巻き、PVA剥離剤を塗る
  2. FRP製作。エポキシ→グラスファイバー→エポキシ→(略)

雛形がない場合

  1. 石膏を固めて石膏ブロックを作り、彫刻します。またはCADソフトと3Dプリンタで(冗談)
  2. あとは上記コピー(1)の要領

こうやって作ったコンテナは、コンテナカバーとして使うのがよいでしょう。つまり中にフィルムケースなりバイソンチューブなりを入れて使います。FRP自体は完璧な防水性がありますが、ケースの開け閉め部分の構造を作るのが大変です。それから屋外に設置するものの場合、紫外線劣化が心配です。まあこれも、塗装してしまえばある程度は防げますし、防水・目につかないところに設置するならばそれほど太陽光線も当たらないでしょう。

ただし上記の手段は、手元にコピーしたいものがある場合です。何を言っているかというと、屋外の構造物の一部をコピー(なんのため? (笑))したいときには、まさか人目があるところで発泡シリコンを塗りつけたり固まるまで待っていたりする方法は使えません。

ちょっとコピー性能は落ちるのですが、油粘土・紙粘土を使う方法があります。

  1. コピーしたい現場で油粘土を丸め、構造物に押し付けます。なるべく隙間の空気を追い出し、なるべく変形しないようにして剥がす
    または紙粘土を押し付けて型を取る。固まるまでタッパーなどで保管(笑)
    • これらの場合、剥離剤として水を予め塗りつけておくとはがれやすくなります。
  2. あとはこれを雌型にしてコピー(1)手順3.
    • 油粘土や紙粘土は、FRPが固まったら破壊して取り出すことになります。雌型は一点モノになるので、複数作るなら予め複数型を取っておかないといけません。
    • FRPが固まったら、油粘土はおおかたヘラで取っておいて、中性洗剤と歯ブラシで綺麗に掻き出せます。

しかしこれ、やってみると分かりますが、かなり危険な図です。見られないようにしたほうがよいでしょう。建築物に油粘土(それも子供用なので明るい色)を押し付けてみると、まるで構造物を破壊しようとしているテロリストがプラスチック爆弾をセットしたみたいに見えます。警察官が通りかかったら、即現行犯逮捕されるかもしれません。また油粘土であることが証明できても、なんのため構造物のコピーを作る必要があるのか、ちょっとふつーには説明できません。自己責任で(笑)。