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出典: Tariki

トイレはどこですか

私は旅行するときは、その国の言葉をできるだけ覚えるようにしている。覚える暇がなくとも、「こんにちは・さようなら」「ありがとう」「おいしかったです」「ここでタバコが吸えますか」「写真を撮ってもいいですか」(爆)、それに「トイレはどこですか」くらいは覚えていくようにしている。これだけでウケはだいぶ違う。なお中国語(標準語)ならトイレは「つぁすぉ」だが、雲南方言では「もーすー」らしい。レストランでウェイトレスに「もーすー……」と言いかけたら、にっこり笑って標準語で答えられたが。

今回中国に行って、トイレがだいぶ綺麗になっているのにはびっくりした。

日本にいると、おおむねトイレのランキングは下記のようになるだろう。海外のトイレで文句を垂れているおばちゃんの頭の中にはおよそこんな序列があると思われる。

  • 5(☆の数): 清潔で乾燥しており、糞尿のにおいは一切しない(香水のにおいがしたりする)。床は綺麗で嘗められる。入ると電気が自動的に灯き去ると自動的に流れ、洗面台に立つと石鹸(それも決めの細かい泡)→水→温風と流れ作業のように出てくる。用を足すに当たってすべき作業は、男ならば窓を開け出して仕舞うだけである。
    例: 日本の超高級ホテルのロビーのトイレ
  • 4: 最高に綺麗というわけではないが、手洗い場の石鹸は出、温風乾燥機またはドライタオルが切らさず設備されている。ウォシュレットが使えたり、流す水の音をフェイクする機械が設備されていて『節水』『一歩前へ』なる貼り紙が貼ってある。
    例: デパートのトイレ
  • 3: 洋便座に経年劣化によるものかタバコのこげ痕か○んこ痕か分からない黄ばみがあり、持参の濡れティッシュで拭かずに座るのがちょっとはばかれる(あんたの尻の方が汚いよ)。
    例: 街の中華料理屋のトイレ
  • 2: 掃除はしているが、なんとなく汚れている。洗面台には濡れた手で掴んだトイレットロールが指の痕も痛々しく、水に溶けるティッシュで手を拭いたものだからヒジキ状に丸まったティッシュ屑が散乱している。
    例: 国立大学のトイレ
  • 1: 床はびしょびしょ、ともするとトイレットペーパーがない。和式便座の周囲には○んこがこびりついている。
    例: 駅のトイレ

しかし日本のトイレというのは異常に綺麗なほうで、世界各国のトイレでは下記のように偏差値が下がる。

  • 5: 床は濡れているが小便ではない。和式便器の周りにう○こはこびりついておらず、洋式ならまあ座っても良いかな、と思える。ちゃんと動く自動水栓があったりする。石鹸は出てくるし、ペーパータオルがあったりもする。
  • 4: 一応綺麗だが、床の湿りの正体がわからない。水洗だが、天井付近にあるタンクをぶら下がった紐を引いて動作させる。自動水栓があっても3つに1つは動作しないし、石鹸がタンクがあっても中身が切れている、または穴が乾燥して詰まっている。洋便座はあっても座るところがなかったりする(だから汚れようがなくてきれいだ)。
  • 3: 別に神経質でなくても洋便座に座るのははばかられる(間違いなく俺の尻より汚い)。和便座は立つところにうん○がついているが、あとでスニーカーの靴底を外の地面で擦ることにしてあえて踏む。ズボンは下まで下ろすと危険なので膝のあたりに8の字に輪にして引っ掛ける。小は一応板で仕切られているが、基本的に壁面に放射する。ときどき思い出したようにその壁面に水が流れる。
  • 2: 大はぼっとん。小は下に傾斜した溝が彫られた壁面に向かって放射するだけ。大のブースはあっても下が広く開いていたり、鍵が掛からない。掛かる鍵があったところで誰も掛けない。扉があったところで誰も閉めない。用を足しても水がない。水があったところで誰も手を洗わない。
  • 1: それがトイレであるということは臭いがしなければ認識できないが、幸いにして100m先から誰でも臭いで認識できる。大も小もなく、隣との仕切りはない。踏み板を渡しただけの斜めの溝に○んこがへばりついている。ハエの親子が明るく生活しているのをごめんね、とひとりごちながら小便で流す。

中国大陸はそれほど多く行ったことがないのだが、それでも10年前に比べ、クラス1(国際標準)のトイレが少なくなっている。以前は、公衆トイレはクラス1~3、お店のトイレはクラス2~3というところが多かったように思うが、今回クラス1のトイレは1箇所しかなかった(やはりお寺だった)。

逆にびっくりしたのは、上が上がったことである。広州の空港のトイレなど、不特定多数が利用するのに、日本標準のクラス4といっても差し支えないくらいである。

思うに、従来中国のトイレが汚い、といわれたのは、『使うひとの身になって』掃除していなかったからだったと思う。従業員用の別のトイレがあるんじゃないか(笑)。ビデオだってデジカメだって設計者が使ったことがない機種は使い物にならない。まあ共産主義の弊害でよく言われることだが、仕事はおしごととしてやっつければよい(仕事しなくても金はもらえる)、というクォリティの仕事しかしていない。中国13億人を食わせるためには、手を拭く紙を渡すひとが一人雇われる (日本ならペーパータオル供給機をつけるところだ) 。この代金が2角 (1990年代: 1元15円として3円、いまは5角 = 8円が相場らしい) だ。それじゃ汚したところを掃除してあげようとか「一歩前へ」と注意するとかいう気も起きないだろう。

本質的にアジア人は清潔好きだと思う。日本のトイレのハイテク化は度を越しているのはいうまでもないが、以前韓国で水原(世界遺産)でみた公衆便所など、まるでおしゃれなバーのようであった。鳥は鳴き、カラフルな光が柔らかく射し、癒しのスペースでさえあるかと思われた。日本標準で☆8つくらいであった。

今回、同じ世界遺産だが、麗江古城には『総工費2億円のトイレ』があるとガイドさんがいう。もうこりゃ空でも飛ぶのではないかと思って期待していったが、その総工費は液晶TVを大(女性用)のブースに取り付けるなどの、本質的に排泄と関係ない部分に使われたようだ。しかも液晶TVを大のブースにつけたらどうなるか、予想するのはたやすい(笑)。すでに我々が入ったトイレからは液晶TVは撤去されていた(現地ガイドが以前はあった、というのだから都市伝説ではないだろう)。肝心のトイレの綺麗さは、まあ世界標準☆4~5つくらいでしたかねえ。

面白かったのは、玉龍雪山のロープウェイ乗り場(ふもと)にあった2つのトイレである。無料で利用できる休憩所のトイレのほうが、日本標準クラス4といってよいくらい綺麗だったのに、5角(0.5元)取るほうのトイレが、国際標準クラス2くらい汚かった(面白いので両方利用した)。

雲南18怪という雲南独特の現象・習慣を18集めた詞 (18以上ある)があるので、これに1つ付け加えて19怪にすることにした。

『収費厠所比較汚』(有料トイレのほうが汚い)

すると嫁が、18怪の詞はすべて韻を踏まなければならない (『怪』に掛けて-aiの音で終わる)、と指摘する。なにか-aiで終わる言葉はないかね、と考えていると

『収費厠所きたない』

でいいじゃん、と日本語ぺらぺら現地ガイドの喬さんが提案する。おお、-aiで終わっている(笑)。