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出典: Tariki
香港は変わったか
今回の旅行の最後に、香港旅行を2日ほど入れることにした。
中国発着が広州白雲空港なので、ツアー予定の何日か後の同便にずらしてもらえば、途中の部分は自分で手配して鉄道(KCR)で香港に往復できる。嫁も行ったことがないというので、旅から旅にはなるが行ってみることにしたのである。
私自身は、まだイギリスだったころ(確か96年)に一度、香港に遊びに行ったことがある。あと03年にイタリアに行った復路で3時間ほど、新しい赤蝋角(ちゃくらぷこく)空港に寄ったが、そのときはゲートも出ていない。では中国に返還されてから変わったか、といわれると、これがわからない。
実は香港より私自身のほうが大きく変化したから、わからないのである。この間に、中国語(標準語だが)もある程度理解できるようになったし、台湾に何十回も行ったおかげで『中華な街』『中華なひとびと』『中華な行ない』について馴染みになった。中華な結婚式すら行なった。
前回香港を訪れたとき、九龍(半島)側は誰にもガイドされずさまよった。ディープな『中華な街』には入り込まなかった。したがって『中華な街』のおいしい部分である、屋台の安くて美味い料理などもほとんどしらない。香港(アイランド)側は、在住の友人に泊めてもらい少しガイドもしてもらったが、こちらはいまみても結構、西洋化されている。
その友人も、中華な部分はみせたくなかったのか、晩飯も西洋化された味の(というか日本の中華料理屋みたいな、洗練され現地人でなくても受け入れられる)レストランばかりだったし、案内してくれた観光地も然りであった。
ただ一箇所、夜中に友人が連れて行ってくれた食堂(いわゆる小吃店)で食べた椀が美味かったことをよく覚えている。ただしそれは香港の料理ではなく、台湾風の麺線(素麺のような麺をどろっと煮込んだもの)であることは後日、台湾に行って知った(笑)。
また、日本人だけでさまよったときちらっとみた九龍側の路地裏は、やたら暗くて怖い印象があった。だがこれは中華文化圏における通常の路地裏の景色であり、別に汚くも怖くもない、ということは、これまた後日台湾を訪れて知るに至った。
96年当時は、そういった『中華な部分』を取り除いた(あるいは私のセンサーに引っかからず)、中華文化圏なんだけどイギリスの植民地、というのをみてきたことになる。だから、当て字や翻意された路地の名前・街の名前・芸能人名などをみて、二ヶ国語を皆使いこなせているな、とか(香港大学は授業が英語で、煮詰まると広東語が飛び交うらしい)、洗練された都市という印象しかなかった。
それに対し今回は、油麻地のホテル周囲や浅水湾のにぎやかな下町はかなりディープな部分まで観光したし、私に至っては嫁が疲労で半日寝込んでいる間に、浅水湾から油麻地(わずか2kmほど) に帰るバスの方向を間違えて(後日広州でも同じことを繰り返す)、香港北東端の元朗までバスで連れ去られた。20kmくらいあるが、途中高速でバスは降りられなかった(それでもHK$12.5)。やけくそでついでに、その地域のトラムに乗ったりKCR西線に乗ったりして、いわゆる新界を一周観光までしてしまった。翌日は香港島も一周した。結構いろいろみた。
そういう条件下で比較しろというのも無理なのだが、まずは『変化していない』例を挙げるのは、あきれるほどた易い。KCRのゲートは広州東站(駅)にあるのだが、そこで入出国(完全に中国を出るときの書類をほぼ一式、書かされる)手続きがある。人民幣(中国大陸の通貨)と香港ドルはなんとなく同じくらいのレートであるとはいえ別々の通貨、別々の紙幣・硬貨だし、大陸は左ハンドル右通行が香港では右ハンドル左通行だ。大陸では赤が進めで青が止まれかと思ったが、さすがにそれはなかった。きくところによると法律や裁判のシステムまで違うらしい。
『変化した』ほうで分かりやすい現象としては、今回『人民幣大歓迎』という看板をたくさんみた。また食堂のメニューなど、繁体字(香港)と簡体字(中国)がごちゃ混ぜになっているのもみた。ただしこれは元々かもしれない。日本でも『門』『国』などを省略して書くことはふつうだし、台湾(繁体字)などでも筆画数の多い漢字は簡体字で書くひと・場合もある。
言葉は、あきれるほど標準語(マンダリン、いわゆる北京語)が通じない。広東語圏だから当たり前なのだが、それでも標準語が通じるひとが結構いる。おそらく、1. 教育程度が高いひと、2. サービス業・商売人など大陸のひとを相手にする場合がおおいひと、3. 返還後に(?)標準語が義務教育化された後の若者、といったところのようだ。このなかで『変化した』影響があるのは2.と3.のケースが増えたことだろう。ただし前記のように、私が以前は標準語も喋れなかったため、どのくらい増えたのかは定かではない。
ただし相手が標準語を喋れるからといってこちらが聞き取れるとは限らない。ものっすごい広東語訛りの標準語でまくしたて、語彙も微妙に違ったりする。嫁(標準語ネイティブ)がふてくされて英語で会話するのを私は見逃さなかった(笑)。
