Tech:pc:ksc:hard
出典: Tariki
目次 |
工人舎SC: ハードウェアと付属品について
- ACアダプタ・電池についてはこちらも。
全体
『胴回りがやや大きい問題』(っていうか奥行きありすぎ)は深刻だ。前述の、私のミニPC基準では、厚みが多少あろうと、コートやスーツのポケットには入る。変なものを入れたら型崩れしそうだが、これが入ると入らないとでは大違いなのである。ちょうどヒンジの部分までが前述の奥行き15cmくらいにあたるので、電池 (S) (あるいは手前のタッチパッド) の部分だけ余計で取っちゃいたい衝動に駆られる。
電池はSで実働2時間もつ。電池駆動時はがりがりに節電しているのだが、モデム(B-mobile 3G)を使っていても、え、まだあるの? というくらいである。
外部ディスプレイコネクタ (VGA) は、尻尾なしで使えるのがうれしい。学会発表などでは忘れるわけにいかず、これは致命的な問題となる。
タッチパッドとキーボード
タッチパッドは私、出たてのころに外付けのOKIのグライドポイントでかなり基礎練習 (『マインスィーパ』ともいうらしい(笑)。でも真面目に10時間以上やる) を積んだので苦手なデバイスではないのだが、それでもこの機種のはやや辟易する。まずスペースバー (これまた後述するように問題があるのだが) と接近しすぎで、不意に押してしまう。バイエルで「手の形は卵を握るように」と小学校1、2年生のころタケダせんせいに習い、それを遵守しているにも関わらず (ピアノだよ)、タッチパッドにあらぬ指が触れてしまう。また右端に上下スクロール、下端に左右スクロールの領域があるが、これまた広すぎて、カーソル移動のつもりでスクロールしてしまうことが多い。
キーボードはおおむね不満はなく、さすがにHappy Hacking Keyboardに入力速度はかなわないがタッチタイピングで300ストローク/分くらいはいく(このページもSCで書いている)。ただしスペースバーだけが問題である。問題も問題、右半分(中文版だから日本語版より広いと思うが、C~NくらいまであるスペースバーのB~Nくらいまでの部分)を押しても反応しないことがあるのだ。ただでさえタッチパッドを避けるようにして親指は立て気味に打つのに、ええ親指という下方向に曲がらない指を下に立てて打つんですよ? (やってみ、指つるから) それで触れたくらいでは反応しなくてがしがし押し捲らないといけない。英文タイプの単語の区切り・日本語のかな漢字変換のキーとしては致命的な出来なのである。通常スペースバーというのは裏に針金が入っていてバーのどこを押しても真ん中のスイッチが押されるようになっているのだが、おそらくその構造がよろしくないのだろう。まあこの辺の問題は、一度キーボードをばらして得意のエポキシ樹脂工作でスペースバーの形を変形させれば多少改善されると思う。使っていない右Altをスペースに割り当ててしまうのも手だな。
タッチバネルって
さあ、ここからはVist9の手書き入力機能をオンにして、ディスプレイのタッチパネルで文章を書くとしょう。おお・そこそこの認識率ではないか。
って遅いからやめました。SCはそこそこ使い物になるキーボードがあるのでそっちのが速い。
タッチパネルのインターフェースは、PDAのザウルス以降の付き合いである。文字を描いて認識させるのはザウルスのほか、WindowsCE機 (東芝Genio) でも使っていた。だがこれ、PCに付いているからといって使う気になれない。
それほど精度が良くない上(たとえばウィンドウを閉じようとして最大化してしまう)、文字入力には向かない(手書き認識は遅い)。最大の理由は、画面に指紋がついちゃうことである(笑)。あるいは傷と言い換えても良い。WindowsCEのときは、あまりタッチ精度に影響しないというウリの画面保護シートなども使っていたが、それでもよく使う場所(WindowsCEのスタートメニューに当たる位置とか、よく遊ぶゲームのカードを積んでいくパイルの座標とか(笑))が傷で真っ白けになったものだ。
SCの画面はこういった傷がつきにくくするためか、あるいは検出デバイスそのものなのか、透明なシートで覆われているように見える。これがまたつるつる表面のディスプレイになって、画面反射がきつくて見にくい原因なのだ。テレビ用PCとかならいざ知らず、文房具用途で使うPCは表面をノングレア処理して欲しいものである。また他所でこのシートとディスプレイの表面でモアレがみえる、という指摘があって、私はそれはあまり気にならなかったが、ところどころで偽色が出る(LCDのくせに(笑))、というのが気になる。どういうことかというと、細い縦の黒線が赤線に見えたりする箇所があるのだ。
ただしWindowsはWindows 7などの路線としてMicrosoftが明言しているように、ラップトップ(PDA)に限らずこの、タッチパッドを多用していく方向のようだ。いまさらVista付属のゲームの話で申し訳ないが、『筆跡球』(日文・英語版ではなんていうのかな)というのは、タッチパネルならではのアプリケーションの方向性を示してくれたものである (ゲームではなく真面目なアプリケーションならジェスチャに対応するだろう)。マウストラックボールスティックポイントタッチパッドでは駄目なオペレーションである。UIの未来をおまけゲームで示すとは、さすがゲームメーカーとしてのMicrosoftの面目躍如である(笑)。
なお画面そのものについてであるが、他で書いたように私の小型PCの基準(縦15cm以内)をオーバーしているにもかかわらず、縦がたった600ドットの使いにくい画面である。Windows7のいくつかのシステム系アプリケーション(コントロールパネルの中身など)では、縦600ドットだと操作もできない (最低640ドットを仮定しているのか、スクロールバーがなく最下部のOKボタンなどがはみ出す)。さすがにこれはまずいので、feedbackで文句言ってやった(笑)。
画面保護シートを使ってみました
このシートを購入したそもそもの目的は、どちらかというとスタイラスで傷がつくからではなく、グレア (反射) の軽減のため。そもそもスタイラスを使うのは面倒で (『筆跡玉』くらいだし) 爪先でつついちゃうし、指だと指紋がつくのでこのデバイスには期待していない。というかシートを貼る時点になっても実際、大して画面も汚れていなかった。
購入したのはMIYAVIXのOverLay Plus 低反射タイプ。確かにうわさどおり、グレアがきついてかてか画面がX60のような無反射になっていい感じだ。というか事務仕事をするPCで表面がてかてかというのはあり得ない設計なので、このPCにこのシートは必須だと思う。シートを貼ってもタッチパネルの感度も位置誤差も増えるわけでもない。1400円の価値はある。
さらに副作用として、タッチパネル特有のモアレ (?) や偽色が軽減された感じだ。よくみるといろいろな色の粒がみえるのだが (両眼立体視の錯覚でパネル表面の内部深いところに色の粒が見える)、シート表面のノングレア処理に散らされて目立ったチラチラはない。
ただ、シートを貼るのは毎度のことながら苦労する。この『自己吸着型』はPDA (X-02HT)でも使用経験があるが、さすがに曲げたのをゆっくり戻す感じで貼れば、気泡が入ることもない。しかしラップトップPCでは画面サイズが大きく、わずかの曲がりでも最後まで貼れないようなので、結局半分くらい貼ってまた剥がして位置調整をして、となってしまった。
またホコリが大敵である。もちろんカメラレンズ用のジャンボブロワーで吹き飛ばしながら作業をしたが、上記の貼り直しというのが曲者。剥がしただけで発生した静電気で周囲のホコリが糊面に吸着してしまう。職場のクリーンルームを借りて作業すればよかった(笑)。
結局、貼りはじめ付近にも小さな気泡を発見してしまったしホコリもいくつか巻き込んでしまった。だがなるべく目立たないように潰すと、結局ディスプレイの電源を入れるとまったく分からない程度には仕上がった。
付属ストラップとおまけアーマーケース
せっかく厚着が許される今日この頃の気候なのに上記のようにコートのポケットに入らないので (ほんとはぴったりサイズのショルダーポーチくらい買えばよいのだが)、SCは裸で持ち歩いている。といっても一見するとハンドバッグのようだ。その秘密は、付属のストラップと、おまけでつけてくれたアーマーケース(私が命名した)である。
ストラップはPCに直接つくものなのだが、固定方法が面白い。ラップトップでは必ずついているケンジントンロックの穴が、SCではディスプレイ裏の左右(バッテリの横)に2個あるのだ。ここに、両端がケンジントンロックになっている(といっても盗難防止の目的はないのでつまみを回せばロック解除になる)ストラップを入れると、裸のPCのまま『ハンドバッグのストラップ』がつくという寸法だ。
ただしこれ、短いのが欠点である。できれば肩にぶら下げて持ち運びしたかった。カメラのストラップのように長さが可変できるとよい。ストラップの両端はカメラのストラップでよくある三角金具なので、もう一個この付属品を入手して、皮ストラップを切り、あまたあるカメラのストラップを装着してロングストラップを自作しようと思っている。
このワンタッチケンジントンロックだが、左のUSBと干渉することがあるのも難点である。がっしりしているだけにつまみの直径が大きすぎるのだ。なおかつ左USBは後述のアーマーケースの穴が開いていてケースを外さずとも使える貴重なポートなので、ここが干渉するのは致命的である。干渉するのは今のところB-mobileのUSBフラッシュメモリ(ぶっとい)型3Gモデムだけであるが、これを使うためストラップをいちいち片方だけ外している。
アーマーケースというのは、本体基部の前から滑らすように入れる、主要なコネクタの部分に穴が開いた、本体下半分を覆う硬い合革ケースである。これに包むと、名刺やら領収書やらなんでも詰め込んでぶくぶくに太った大き目のシステム手帳 (実際そういうひとに出会ったことがある) にみえる。本体蓋の上からかぶさるような『表紙』もついており、まさにシステム手帳のように『裏表紙』(本体下部下) についているホックで留める。
主要なコネクタ部分は穴が開いており、前面LEDも『表紙』を閉じた状態で確認できるのがうれしい。ハイバネーションに入るときなど、HDDにまだアクセスにいっているのにうっかり動かしてしまうという事故も防げる。
アーマーケースは有料で別売されているものかもしれないが、買ったNOVAのお兄ちゃんが「これおまけね」ってつけてくれた。ちなみにソフトケース(よくあるふわふわぺらぺらのクッションケース)は標準付属している。さらにもう一個おまけでもらったのが面白いペンで(これもKOJINSHAロゴがあった)、ボールペンとタッチパネル用のスタイラスの2色(?)ボールペンである。横に寝かせて尻のボタンを押すと、向きによって出てくるペンが決定する。
まあペンの話はどうでもよいが、アーマーケースは非常に微妙な製品である。まずかなりの強度があると見えるが、重いのだ(笑)。芯に鉄板でも仕込んであるような強度および重さである。せっかく800gくらいのPCなのに、その半分くらい? の重さのケースに入れては、いくらボディ密着で余計に太らないのがよいとはいえ、やや持ち歩きが大儀になる。
右USBはアーマーケースを外さないと使えないことは書いたが、ACアダプタのプラグは装着したままだとLCDを覆う部分を全開しても挿すのがきつい。これまた左ストラップを外して挿入することになる。ほかにもタッチパッド手前の土手の部分がやや出っ張っているのが難点である。ここが出っ張っていると、タッチパッド手前にあるマウスの右・左ボタンが押せないのである (右ボタンはタッピングで代用できないので特に困る)。少しでも強度を稼ぐ工夫だと思うが、削れるものなら削ってしまいたい。
それから耐衝撃はともかく、防塵・防滴機能はやはり、ふわふわぺらぺらとか1000円のショルダーポーチにも劣る。これを実感したのは小雨の日で、他のかばんを持ちたくないからSCだけぶら下げて職場に行った。雨といってもふわふわぺらぺらケース、というかたとえば封筒でもしのげる程度の、ほんのちょっとの雨である。いくら小雨でも裸同然で持って歩くのはいかがかといわれればそれまでであるが、なにしろ一番濡らしたくないコネクタの部分だけよりにもよって穴が開いているのだ(笑)。
といろいろ文句を書いたが、PCのケースとしては (ストラップも含め) 非常に新しいソリューションで、いまのところ外出するときには裸でかばんに突っ込んだりせず、ストラップ + アーマーで出かけている。
(追記) 肩掛け問題を解決しました
上記、新しいストラップを入手して金具だけちぎって、をしないで、肩掛け用のストラップを増設してみた。
東急ハンズでかばんを肩掛けするためのストラップを入手(1000円程度)、このフックはワンタッチで取り外しできるが太いので、キーリングを2個入手。キーリングは耐荷重2kgのものを使った。片側に全重量がかかっても余裕率200%くらいあるのでよいだろう、と思ったが、付属の三角リングはもっと細いので、それほど神経質にならなくて良いだろう。
キーリングを元からあるストラップの三角リングにひっかけて、そこに肩掛けストラップをつけた。やはり肩に掛けると両手が開くし、腕に負担が掛からないので楽である。
同様のソリューション(笑)はラップトップをかばんに入れても可能であるが、これは多数のひとが経験している通り、かばんのストラップの位置よりPCの重心が上で口があいていたりすると (様は急いでしまって立ち上がったときなど)、かばんがくるっとひっくり返ってPCがドガシャーン、ということがある。PC直付けストラップというのはその危険性がないので、大いに結構だ。
長いストラップと短いハンドストラップが両方ついている妙なデザインになるが、後から落下防止 (の可能性軽減) という副作用があることに気づいた。一回、ケンジントンロックが片側はまっていなくて肩からかけていたが、ずるっと滑っただけでPCは落下しなかった。短いストラップと長いストラップがループを構成するので落ちないわけだ (もちろん両のケンジントンロックが外れていたらおしまいである)。
なお同じことは (というか最初そちらで狙っていた) カメラ用の両吊りストラップでもできる (『デジカメ用』は片吊りなのでダメである)。そちらの方がより細めで、デザインもいろいろ選べると思う。
この状態にすると
- アーマーケースを外してケンジントンロックを外す: 完全な裸のPC、コネクタなどフルに使いたいときに
- ケンジントンロックでハンドストラップだけつける (肩掛けストラップをワンタッチで外す): 通常の使用、部屋から会議室などちょっとした移動に
- 同アーマーケースをつける: かばんなどに入れるときに
- さらに肩掛けストラップをつける: 単独でのお出かけ
などというスタイルが選べる。
数々の出入り口、制御スイッチ
買ってすぐこういうメモでも書いておかなければ、実は自分の持っているデバイスの出入り口というのは気づかないこともある。FIVAだったと思うが使い終わりのころになって初めてIrDAがついているのに気づき愕然とした (電子手帳との通信に必要だったと思う)し、いま並行して現役で使っているX60など、買って半年たつまでSDカードスロットがあるのに気づかずSDアダプタを使っていた(笑))。いやそれはPCMCIAスロットのすぐ下にあって気づきにくかったためなのだが、気づいた後もなぜか(I/Fのアーキテクチャのせいだろう)このSDスロットは速度が出ないことに不満があって、やっぱり外付けのSDカードリーダを持ち歩いている(爆笑)。
SCはぐるっと見回すと、まずキーボード手前には電源スイッチ・各種LED、そして無線一括ON/OFFのアナログスイッチがある。これX60にもあるが、航空機に乗るときなどはなかなか便利である。3種類もある無線をいちいちソフトで止めていたら時間がかかるし、無線ONのままでsleep/hibernationしてしまって機内でresumeしたら航空法違反である。もっともだからといって気づかれることはまずないし、技術的には航空機の計器に障害を与える恐れは皆無だが、法はわけわかんない法でもまた法である。
左横には他項で述べたUSB、ディスプレイのフルサイズコネクタ、オーディオ端子が2つとボリューム (といってもキー)、そして手前にGPSレシーバが入るはずの化粧板がある。右横はUSB、SDカードスロットとおそらくTVチューナが入るであろう空隙の目隠し化粧板がある。背面はACアダプタとLANの口、あとは電池だけである。なお右側USBとLANの口はなんとも安心な蓋があって、これは外してもなくす恐れがない。側面両側にケンジントンロックの穴、ディスプレイ側にはLEDやおまけカメラのほか、4役のアップダウンスイッチがある。
LAN、WLAN、Bluetoothのほかのもうひとつのネットワークへの口は、なんと底面にある。メモリを増設するカバーを外すと、3GのSIMカードを挿せるらしいのだ。私の携帯電話もSIMカードであるが、残念ながら料金プランを基本激安使うと割高なのにしているため、パケット通信をするなんてとんでもない (128バイトのパケットを飛ばしただけで0.何円かも取られるなんて論外である)。したがってここは活用せず、もっぱらUSBの口にB-mobileの (USBフラッシュメモリそっくりの) 3Gアダプタを挿して公衆網では通信している。
まああとは人間との出入り口でキーボード・タッチパッドのほかタッチパネルがあることくらいでしょうか。他に画面左上にスティックポインタがあるモデルも見たことがあるが、SCではないようだ。その位置にカメラがある。タッチパッド・タッチパネルのほかにスティックポインタがあってもどうかと思うが、使いもしないごみカメラよりならここにもう一個ポインティングデバイスがあるほうがまだ、使い道がある。
結論: 外で使い物になるか
小型PCの評価基準は、あくまで外で使い物になるかどうか、である。外でやるのだからどうせたいした仕事ではないのだが、それでもプログラムのコードを書いたり、ブラウザ経由で仕事のツールを使ったりはする。ただし計算機名仕事はFreeBSDばっかりで、Win系は文房具な仕事しかしないが、まだSCにはFreeBSDをインストールしていない。逆にいわゆるわーぷろソフトとか表計算なんかは使う必要がほとんどないので、これらCPU的にも重くて画面的にも広い面積が必要なわがまま文房具はここでは評価対象としない。
逆にオンラインで使わなければならないものでは、ネットへの接続口が必要である。『口』の項で書いたように、こちらは有線LANとWLAN・3G (使う予定はあまりないが)・BlueTooth経由で3Gとかいろいろできる。電池の持ちも (WLANとB-mobileの3Gだけしか試していないが) ほとんど変わりない。
キーボードも、この文章をすらすら書いていることで分かるように (あ、分かるのは俺だけか)、長文や細かい推敲が必要な文章を打つのになんら問題はない。もっともこれは私が長年、超小型キーボード慣れをしているからであって、一般論としては当てはまらないかもしれない。
大きさとかアーマーケースとかいろいろ考えないといけない点はあるものの、総論としてこのPCの『外で使える度』は90点を差し上げたい。
