Tech:heli:intro

出典: Tariki

この項では、他にまとまった項目を立てられないヘリ関係のあれこれ悩んだことを記録。

新しいものが下。


目次

2007/ 5/? ヘリコプターを飛ばしたい (キーエンス・レボリュータのこと)

なぜ突然ヘリコプターを飛ばしたくなったかというと、正確には、カメラを飛ばして空撮したい、と思ったからだ。なぜ突然カメラを飛ばしたいと思ったかは謎である(笑)。

しかしてまず、EDF3基を搭載して基本は自律安定というカメラ飛ばしマシンの設計にかかり、製作すべくパーツまで集め始めたのが5月の出来事であるのだが、このことはまた別の機会に触れたい。

で突然思い出したのが、昔買ったキーエンスのラジコンヘリ、レボリュータだ。押入れから出してみる。調べてみるといまでも改良モデルが売られているようだ。

このレボリュータ、実は私が十数年前に就職して自分で自由に使える金を得て、最初のほうで買った『高いおもちゃ』である。確か当時も5万以上した。いまはなき、横浜駅西口のALiC日進の地下の模型コーナーで買った。

話はさらに遡るが、私(昭和40年生まれ)の世代ではラジコンは憧れのひとつである。小学校5年のときに同級生のオバラ君が学校に持ってきて走らせていた、エンジン車のバギーの臭いが懐かしい。

まして空モノというと、とてもじゃないが大人でも飛ばせる人はあまりいなかっただろう。ラジコンならぬ『Uコン』なるものが子供にかろうじて手が届く空モノとして存在していただけであった。Uコンは、ハンドルに紐でつけた飛行機をぐるんぐるん永久砲丸投げのように飛ばし続ける遊びである(ハンドルの振りでエレベータを制御したりできたと思った)。これはゴムひもでボールがあっちに行かないテニス同様、あまり欲しくなかった(笑)。

時は流れ、電気電子工学と電池技術の発達により、車はおろか空モノまでモーターでおk の時代がやってきたのは横目で見て知っている。さらに東南アジア諸国に安く作らせる大量生産の技術も発達し(技術もぱくられ)、一万円札でおつりが来るくらい安くなったことも知っている。

就職当時の思い出を一気にスキップして昨夏のことになるが、同僚の息子のスグル君が持っていたラジコン車(2000円くらいだと思う)を修理してあげて、その出来のよさに息を呑んだ。左右ニュートラルはスイッチ、前進後退停止の、2chというより2chデジタルプロポ(オンオフだけだから(笑))付属のおもちゃが2000円くらいである。10台くらいまとめ買いして、友達のラジコンを横目で眺めていた30年前のボクに送ってあげたい。

さてレボリュータである。これ登場当時は、まずラジコンヘリがモータと電池で動くということ、さらにこの大きさでジャイロまで搭載して、室内でも初心者でも簡単に飛ばせるということ、さらにサイクリック制御とやらをして(一回転でモータのスピードを変えて揚力を変え)飛ぶ方向を決めているということ(まあ本物ヘリの原理は当時は知らなかったのであるが)、などなどハイテク臭がぷんぷんしていた。ので5万円でも買っちゃったのである。

ところが買ってみると、羽根は折れるわ、電池では短時間フライトで(確か5分)全然練習にならねーわ、で、あっというまに有線使用(電源は床から供給する)になり、そのうち飽きて箱に入れ押入れ行きとなったのである。

これを取り出してきてみて、さあ補修なりパーツを買い足して遊ぶかというと、そこはネッターですのでまずググる。勘は当たって、きょうびこの程度の大きさでこの程度の性能のものは、半分から1/4程度の値段で手に入ることがわかった。なんかいろいろ調べると、2ch、3ch、何に使うのか6chなんてのもある。2chについては(CCPのハニービー)、上昇と首振りだけやんけ、とバカにしていたものの、千円札2、3枚で買える値段とあってついビックカメラで衝動買いして結構遊んでしまったが。

そこでまずは、4chヘリで40cm以下のものを探すことにした。もう(最後にまともに飛ばせた思いでもない)レボリュータの操縦は忘れているだろうということで、室内での練習が大きく欠かせないからである。

第一候補としてJABO 2というのに白羽の矢が立った。


2007/ 6 JABO 2をぽちっと

結局JABO 2という、中国製怪しいヘリにした。

2chではすでに『あやヘリ』というジャンルさえ確立した感があるこの手のヘリコプターだが、いろいろ調べたら、スペアパーツを揃えている販売店が国内にある。しかも調整済みのをそこで売っているようだ。

何しろレボリュータは調整不要、っていうか要調整だとしても普通のヘリとは原理が違うので、まず浮き上がらせる前に要調整だったら、何が正常なのか分からない、と思ったからである。調整代金で数千円とられている計算であるが、まあ2万円くらいなのでよしとした。

ネット通販で買ったのだが、販売店は職場の近所であった。直接行って買えばよかったかな、まあスペアパーツは直接仕事帰りに出向いて買うか、とある日、場所を確認しに行ったら、どうやら普通の自宅でSOHOな営業をしているお店のようである。

3日ほどで到着した。さっそくプロポをmode 2に改造した。

ヘリのプロポであるが、私は常々mode 1というのに疑問を持っている。そもそもフライトシミュレータをかなりやりこんでいる私であるが(といってもヘリは10秒くらいで落とすこと100回くらいでもう飛ばすのは諦めたが)、右手がエレベータとエルロン、左手がスロットルというのは飛行機(ヘリだって同じだ)の理にかなっている。

まあ初心者だからどっちでも同じだ、クラブに入るなら他人(大多数)と同じmode 1の方が、という意見もあるようだが、レボリュータ(だから飛ばし方忘れたってばさ)だってmode 3 (mode 2と左右の手が逆だ)である。

JABOの付属プロポは、簡単にY軸ポテンショメータの配線を入れ替えられるというのは調査済みだったので、到着して1フライトもしないうちにプロポの分解にかかる。

スロットル(元右手、新左手)のカリカリ感を出す金具は簡単に交換できたが、問題はニュートラルを保つ板バネ(元左手、新右手)である。これがどうやってもはずれない。しょうがないので、右の中点付近に2本ビスを打ち、間に輪ゴムを回して、右のスロットルが中立するようにした(笑)。

実はこのときはそれほど正確にニュートラルに戻る重要さというのは認識していなかったのだが、思ったより正確に毎回同じ位置に戻るので、結局これで使い続けることになる。


2007/ 6/ ? リンケージいかれる

家でぶっつけぶっつけ(購入店のページに『JABO2は群を抜いて墜落に強い』と書いてあったが、伊達ではない)なんとか10秒ホバリングできるかできないか、という腕前になる前に、リンケージがいかれる。

まあ高級機に比べたら単純な構造なのだが、JABO2はベル方式というのかな、サーボがスワッシュプレートを押すと一回転の位置に応じてスワッシュがスタビライザを押す(押したり押さなかったり)。スタビライザが今度はメインロータのシーソーを押す(押したり押さなかったり)。そのリンケージが折れてしまったのである。

これは困った。予備部品は購入できるのだが、たかがプラスチックのめがね型の板一枚である。

一応、針金細工で事なきを得る。きちんとサーボを動かすと風の向きが変わるようだ。これで元々の性能(操舵性とか安定性とか)から落ちてないのかな。ちょっと不安である。


2007/ 6/ ? JABO2とシミュレータ

(この項執筆中)


2007/ 6/ ? JABO2 公園デビュー

安定して浮かせられないのは部屋が狭いのが悪い。

というのはあながち嘘でもなく、ある程度浮上させると地面効果がなくなってヘリ自体の安定性で安定したりするのだが(調整が悪いと安定しなかったりするのだが)、部屋の中だと布団の上でふらふら(地面効果で滑るのが分かる)、ちょっと部屋の隅に行くと箪笥や壁の上昇気流(?)に吸い込まれ、床の凹凸に吸い込まれたりする。

しかしこのヘリの大きさ(全長45cmほど)、いわゆるpark planeとしてはぎりぎりくらいの大きさである。

park planeというのは、公園で飛ばせるラジコンということだ。一応、200g以下とかスピードが出ないとか規定されているが、要は墜落とかノーコンになったときに、人・物に致命的な損害を与えない、というものが、海外ではpark planeとして認知されているようだ。まあどんなに軽くても、例えば50gだって頭に当たったり目に入ったりすれば大事だし、車の上に落ちてかすり傷でも付いたらぎゃーぎゃー言うオーナーはたくさんいるだろう。

もっとも日本では、さらに電波法の規制もある。この規制緩和は間もなく(2007年7月現在)なされるようだが、ラジコンはある周波数帯に限ってかなり強力な電波を無免許で使うことが許されている。ただし民家から500m(!)離れないといけない。実際には専用のラジコン飛行場ですら要件を満たしていないのに黙認されているケースもあるようだが、実際に他の機器に電波障害となり得ない程度であること、首都圏では周囲500mに民家がないなどという場所が皆無であること(河川敷ですらこれを満たさない場所は多い)から、電波法を規制緩和するということだ (ちなみになんとラジコン電波の規制緩和は50年ぶりだとか)。

したがって自主規制として、人影が見当たらない、多少広めで民家・私有物との間に何らかの障害物がある公園を選ぶことにする(時間と場所を選ぶとうちの近所にはこういうところはままある)。

まず、近所の公園(1)に持ち出す。ここは森のようになっていて、いささか木が邪魔だ。ここで飛ばしてみると、ヘリにダメージを与えるのは地面付近の雑草であることが分かった。高さ20cmくらいのぺんぺん草のような草なのだが、ヘリのプロペラには致命的だ。さっさと離陸すればよいのだが、練習中なのでそうもいかない。まるで巨大な草刈機だ(笑)。

つぎにちゃんと公園として整備されている公園(2)に持ち出してみた。ここは車道の脇だが、普通に車や人が通行するところから10mも崖下になっている。また、柵 (まずヘリで越えることはない)のあっち側にはすぐ、マンションがあり、そこまで飛んでいくことはないとしても見下ろされると恥ずかしいのだ(笑)。

案の定、公園(2)でああでもないこうでもない、と飛行10秒、調整1分みたいにもぞもぞやっていると、窓が開いてこっちを見、またすぐ閉める、というお宅が2、3件あった。ヘリの調整は難しいなあ、という振りをして(ほんとは上手くホバリングできないだけなんだが(笑))、電池が切れるまで練習した。


2007/ 6/?? ジャイロスコピックプリセッション

なかなか飛ばせないでいるので、ビールなど飲みつつヘリの構造を眺めている。リンケージがいっぱいあり、なかなかの機能美なのだが、本当にこんなに複雑な仕掛けが必要なのだろうか。

JABO 2では、まずサーボ2個がスワッシュプレートを押すと、それが回転しているスタビライザを押す。スタビライザがさらに羽根のシーソーを押すリングを押すと、それに応じて羽根の角度が変わる。

どうやらヘリの原理に付いて、長らく勘違いをしていたようだ。ヘリは軸を前後左右に動かして飛ぶ、と思い込んでいたが、軸はヘリ胴体に鉛直に立ったままで動くわけではない。

早速、amazon.co.jpで専門書を探して勉強してみた(あとググったり)。

これはなかなかの良書であり、実機のヘリの飛行原理から操縦のコツまで書いてある。

話を元に戻すが、ヘリの羽根は一周するうちに迎え角が変わり、揚力が変化する仕組みらしい。それで回転する羽根が作り出す円盤が任意の方向にめくれ上がり、その方向に飛んでいくわけだ。なるほど。

そういえばヘリのコントローラ (エレベータとエルロン)はサイクリックというのはフライトシミュレータでも知っていたが、サイクリックに揚力を変化させるのでサイクリックというのだった。

ただしJABO 2においては結局、羽根 (の揚力を一周で変化させるリング)を直接 スワッシュプレートで押さず、スタビライザを押しているのは、どうやら

  • 羽根の向きが変化してもスタビライザが動かなければまた安定してしまう。
  • っていうか、それで安定しないようではスタビライザの用をなさない
  • っていうかっていうか、スタビライザが羽根を駆動する仕組みと、サイクリックが羽根を駆動する仕組みを適当にミックスする機構がないとスタビライザは組み込めない
  • スタビライザを押すほうが少ない力ですむ(? らしい)

といったところらしい。

さてJABO2を仔細に観察してみると(これは一般的な二枚羽根のシーソー式ローターというものらしいが)、どうも押す方向と『円盤』がめくれ上がる向きが90度ずれている。

つまり、たとえば前進のスティック(エレベータ)を押すと、6時方向からスワッシュプレートが持ち上がる。すると、羽根のシーソーは12時・6時方向では水平(揚力まあまあ)であるが、3時・9時方向にきたときには、3時方向の羽根は立ち下がり揚力が増え、9時方向は水平に近くなり揚力が下がる。

このままでは3時から9時の方向、つまり左に向かいそうなものだが、そうはならない。調べると、これがジャイロスコピック・プリセッションというものだそうだ。円盤を押すと90度遅れて力が働く。だから上の例だと羽根は時計回りなので3時方向を押すから6時方向がめくれ上がる(円盤とすれば)、つまり前進の力が加わるのだそうだ。

そういえば、ジャイロ効果というのはハードディスクで経験がある。運転中のハードディスクを動かすと(良い子はまねしないように)、力を加えた方向ではない方向に動く。まるで猫が腕の中で暴れているような動きをするのだ。

この90度遅れの原理がわからない。

概論としては、3時方向を押すと12時~6時の間にある質点が上向きの力を受け、それが積分されて6時方向にあるとき最大の上向きの力になる(下向きの力は6時~12時が積分されて 12時が下向きの最大になる)、ということらしい。ではなぜ積分されるのか、あたりが直感的にわからない。どうやらsin()の積分に関係あるとか(だから90度遅れるとか)いうことだが、正確に書いている本・webがなかなかない。

私は工学部なので、数式で説明されれば一発なのだが。かつ、sin()を微分するとcos()になるとか積分するとcos^{-1}()になるとか、そのくらいのことは『直感的に』わかる。上記『ヘリコプター』や他の本も、なるべく数式を使わずに説明している。だが、世の中数学の言葉で説明するほうが簡単な事項もあるのだ(ってか多いのだ)。たとえ話や概念もよいが、それで終わらずきちんと数式で説明する本が増えてほしい。


2007/ 8/ ? CCPMとVバー

長らくBlade CX関係にかまけていて、一般的なヘリの精進をしていなかったのだが、本屋でラジコンヘリ(本格的な)関係の本を立ち読みしていて、ああ、やっぱり、と思えるような進化があることを知った。

ラジコンのシステムというのが電子工学的にかなり質素(悪い言い方をすればちゃち)、というのは、Blade CX関連のどこかで書いた気がする。つまり、PICで一発ハード・ソフトを作れば、こんなことで悩まなくてすむのに、という機能がなかったり(その代わりプロポがコンピュータ並みに進化している)、ということだ。

同様のことが制御工学(機械工学なのか航空工学なのか)にもいえるのではないか、と思っていた。そっちはよく知らないんだけどね。

つまり、ヘリの機構ってベルさんだかヒラーさんだかが考え出した、1940年代とか(うそかも)のその路線に乗っかったものしかない、ようにみえる。まあ実機だと、FAAとかICAOとかあれこれ通さなければいけない筋があるのだろうが、ラジコンならもっと、最新の技術に合わせて進化してもいいじゃないか。MP3プレーヤが1万円で買える時代だ。

といろいろ、(電子工学と情報工学は専門だが)航空力学の専門家でもないシロートの私が自由に考えても、やっぱり飛ばないんだろうなー、と思っていたら、そのうち2つくらいはもう既に実現されているのを私が知らなかっただけだった。

ひとつめは、スワッシュプレートの機構である。つまり(アヤヘリには無縁だが)羽根全体のピッチを買えるピッチコントロール(mode2プロポや実機なら左手上下)がスワッシュ全体を上下させ、スワッシュの(X, Y)の傾きをエレベータとエルロン(mode2や実機なら右手の上下左右)でコントロールする。

こんなの、自由度3なんだから3軸のサーボで3Dに制御すればいいじゃん。と思っていた。それを実現した(すでにしていた)のがCCPMである。つまり、スワッシュに120度ずらしてくっつけた3つのサーボで、ピッチとエレベータとエルロンの動きを同時にやってしまう。これなら、3レバーの動きから3つのサーボの制御量に分解する計算が必要だが、機械的には簡単になる。

ラジコンの世界では、これを行なうのはプロポの役割らしい(これこそPICで一発……)。

二つ目は、スタビライザである。スタビライザといっても別にヘリのそれは、重力を上下方向とする線に鉛直に姿勢を安定させようっていう高級なものではなくて、単に外乱が加わったときの姿勢の乱れを遅れさせるものである。こんなのジャイロで電気的にやればいいじゃん、と思っていた。実際にラダー方向のジャイロの制御は、きょうびは当たり前だが20年前(?)にはなかったらしい。

これを実現する(とっくにしていた)のがVバーシステムというやつらしい。この名称も一社の商品名のようで(違うかな)、まだまだ既製品は高いようだ。したがって自作の余地はまだある。

特に後者、スタビライザなんて「素人考えで電子制御できそうなものだが、機械式スタビライザでないと飛べない理由があるんだろうな」、と思っていたのが、あっさり打ち砕かれたのは結構、ショックであった。

ただし私が考えたVバー(もどき)は3軸ジャイロだけでできそうなのだが、この既製品は移動速度センサ(ピトー管による(!))も備えている。なぜなんだろう。やっぱり考え違いしているかな私は。

言い切ってしまおう。ヘリの飛行原理なんて簡単じゃん (←電子制御にものいわせればね)。おそらく、Vバー(のようなもの)が普及しちまったら機械式スタビライザなんていうのは、手ぶれ補正機能付きデジカメが普及した後のフル機械式カメラ、いやGショックが普及した後の機械式時計くらいレトロな感じがするだろう。

あといま謎なのは、なぜにラジヘリ野郎(女性もいるだろうが)は安定したホバリング練習なぞというものに血道をあげるんだろう。これこそMP3プレーヤ1万円時代のセンサ技術・電子制御にものいわせれば、人間のやる仕事ではない(石投げないで)。人間は人間らしく、手を離せば空中に止まるヘリをアクロに動かして、3Dとか演技させればいいんじゃないかなあ。

とホバリングもよたよたで、3Dなんてどうするのか見当も付かない技術屋がほざいてみた。