Tech:GPS:x9mi

出典: Tariki

目次

SUUNTO X9mi

GPSつき腕時計という存在

GPSつき腕時計がほしかった。

eTrex Vistaの項でも書くが、eTrex型のGPSを街中でみながら歩くのは気恥ずかしい(んじゃやめろよ)。特に、いわゆる携帯用GPSを使い始めた1990年代前半~中頃までは、街中でメールを読みながら歩くのも私くらいのもので(それまた恥ずかしい)、どっちにしても恥ずかしかった。まあ最近は、「ちょっとでかい携帯電話じゃないの?」ってくらいにみえるので、それほど恥ずかしくもなくなったが。

もうひとつは、航空機のトラッキング取りである。旅客機では、GPSはただのラジオであるし(日本国内では離着陸時を除き使用が許可されている電子機器に入る)、ましてeTrexなどといったら米軍兵士も使っている(らしい)、ミリタリスペックの機器である。要するに電波の不要輻射などないということ。これは私の使っているマルチバンドラジオを近づけて確認もした。

だが、まだまだGPSが電波を出していると思っているひともいるみたいだし(台湾で隣のおばちゃんに『航空機の安全を脅かす機器』だと思われた(?)ことがある)、2003年ころになるか、中国のエアライン(海南航空だと思う)ではすっちーに使用を禁止されたこともある。

もし腕時計型GPSがあれば、窓にもたれて物憂げに外をみている、ふりをしてトラッキングが取れるに違いない(笑)。そんなことを考えていた。

この種の製品のフロンティアは、何を隠そうぼくらのCASIOである。CASIOのPROTREKシリーズでGPS搭載のが歴代2機種ほど出ていたと思う。だが、その値段の高さと(実はX9miもそんなに違わない)、機能の低さ(これまた違わないのではないか)から、PROTREKのGPSつきは購入を見送っていた。

SUUNTOの腕時計はこれがはじめてである。前述のPROTREKは、実はGPSなしのモデルは愛用していた。eTrex VistaからGPSを取ったような(笑)、磁気方位・気圧(高度)、そしてそのログが残せるモデルなので、これまた一時期は旅の友であった。余談になるが、なんとなくPROTREKユーザはSUUNTOもどきというコンプレックスを背負っていると思う。私のPRO TREKはデザイン変更(丸っこくなった)になる前のモデルであるが、デザイン変更後は特にSUUNTOを意識して(というかぱくって)いると思う。

そのSUUNTOにGPSがつくというので飛びついた。というのはうそで、初代 (X9かな) の存在は実は1年くらい知らなかった。X9にiがつき、さらにミリタリモデル(文字盤が赤表示というのが大きな違いだ)になるにあたって、日本未発売にもかかわらずオークションで買ったのである。

このあと本題に入る前に、X9mi購入によって、eTrex使用時の恥ずかしさ・航空機内での使用は改善されたかというと。これがなされなかったのである(笑)。

まず、歩きながらの使用であるが、eTrexに比べいかんせん感度が低い。低消費電力のためか補足時間もかかるし、GPS受信チャネルも少ない。したがって、必然的に『いつも時計を見ながら歩くひとのポーズ』で歩くことになる。腕が疲れてくると時計をはめた右手(私は右手内側に時計をするが、そんなときは手の甲側に回す)を頭の上に乗っけて、『頭ぽりぽりのポーズ』で歩く(笑)。これなら『巨大携帯でメールを書きながら歩くポーズ』のほうがまだ恥ずかしくない。

航空機内でも、感度が低いのでほぼ窓にべったり貼り付けて使えるかどうか、というくらいである。『物憂げに外を見つめるポーズ』というよりは『窓に拳を振り上げ喧嘩を売るポーズ』というほうが正しい。



性能

ってここではGPSの性能を論じればよいのか、腕時計としての性能を論じればよいのか(笑)。

まずGPSの性能であるが、すでに上にも書いたように、結構ダメダメである。特に衛星をロックするまでが弱い。マニュアルにも『衛星がみえる(4個以上)ところで』『静止して』ロックしてから動いてください、とあるが、現実にはこうはいかない。移動が多い日に、朝家を出てから外に立って数分(かかるのだ)、『時計を見ているポーズ』をしているわけにもいかない。バス待ちとかならともかくね(家の前のバス停はマンションの前にあり、見晴らしが悪い)。

またいったん動き出してからもすぐに衛星をはずす。感度が悪い。この大きさにしてはたいしたものではあるが。マニュアルの記述から推測するに、腕時計のバンド部分と人体も(?)使って感度を上げているようではあるが、そのせいでバンドはごわごわする。細手首(しかも扁平)の私は、まるでブレスレットのように形がフィットしないバンドのせいで、くるくる回ってしまう。ちなみに腕時計型で、徒歩で歩いているときを前提に作っているのだから、例えば文字盤の9時方向に最大感度があるように設計すれば(左手外側に着けている場合)自然に歩いているときに衛星をはずさないのに、文字盤水平という腕時計では一番『ふつーじゃない』ポーズで上(文字盤と鉛直)方向に最大感度がある、というのもいかがなものか。

電源であるがこれまた問題である。GPSを使っていると電池のもちは、小まめにGPSをoffにして一日というところだ(offにして、というか、衛星が一定時間見えなくなるとすぐGPSは自動offになってしまう)。充電式電池なので逆に電池代はかからないが、いわゆる300回とか1000回とかで寿命が来てしまう(寿命になったらメーカ交換らしい)充電式電池なので、1日1回充電していたら、寿命が1年とか3年とかいうことになる。最近はこれではたまらないので(GPS機能に失望、というか飽きてきたこともある(笑))、GPSを使わない日は時計としても持ち出さないようにしている(笑)。

ちなみに時計だけの使用ならば、一回の充電で3ヶ月とかもつらしい。

充電はUSBでもできるし、クリップで時計の3時方向からはさんでやるとUSB接続ができるので、PCがあれば簡単だ。ただし問題なのは、PCが機器を認識してくれないと充電が始まらないということで(当たり前だが)、PCから充電する場合に限っては、USBドライバをインストールすることが必要だ。付属ACアダプタ(要するにUSB-ACアダプタ)や、乾電池からUSB充電する汎用のコネクタなどでは、いつも+5Vが出ているので、当然この心配はない。

時計としての機能は、これはぴかいちである。時刻・日付を合わせなくても、10分くらい空にさらしておけばnsec単位まで合ってくれるのである(笑)。またビットマップ表示のディスプレイを贅沢に使っているので、時計だけの表示であれば、とても読みやすい。


GPSの機能

GPSの機能は、ちょっと驚きの充実である。といってもGARMINの安めの(地図がない)機種など使ったことがないので、これは徒歩ナビ(山歩き)の普通なのかもしれないが。一応、磁気コンパスと気圧高度計もついているので、他の山歩き系GPSができるようなことならば大体できる(とかいてこの項は端折る)。

まず、ログ残しやポイントマークはふつーにできる。ポイントは残念ながら、番号で残っていくだけなので、後でPCにダウンロードして変えればよい。ポイントはマークセットで作る方法と緯度・経度入力で作る方法がある。トラック(ポイントをつないで作る)も作れて、次のポイントまでどのくらい、とナビする機能もある。またバックトラックとかもできる。

表示部は一応ビットマップになっているのだが、簡単な軌跡ログであっても表示できない。地図はもちろんない。

PCとの連動だが、SUUNTOの純正ソフトが付いている(これがないと前述のように充電もままならないのでインストールは必須)。これでX9mi本体のメモリ内管理、ログのダウンロードと保存などもできるが、残念ながら地図はついていない。PC上では好きなビットマップを切り出して使える(どこかできいたようなはなしだ)のだが、面倒なのであまりやりたくない(どこかできいたようなはなしだ)。結局カシミールを使って今日の移動を確認、ということになってしまう。

ところでちょうどX9miが出た頃、カシミールもダウンロードには対応してくれた。複数GPSでのログ整理が一括してできるので、本当に助かる。ただしアップロードには対応していないため、専用ソフトはポイント等の名前の付け替えと保存(本体に書き戻せるため重複して保存しておく)、カシミールでは新しいポイントの保存やトラックの整理(ただし本体に書き戻せない)、という2つのソフトを使い分けることが必要になる (これまたどこかできいたようなはなしだ - GARMIN専用ソフトは地図の切り出しとアップロードにしか使っていない)。

さらにこれは機能っつーよりデザインの問題なのだが、ポイント残し(だけではない。あらゆる操作)でボタンが硬いのである。どのくらい硬いかというと、必死になってメニューとか呼び出して操作していると、指が凹むくらい硬い(笑)。多分2kg力くらいで押さないと反応してくれない。どうやらこれは防水のため (あれ、どこかできいたはなし) に、普通に接点があるボタンを外ケースと一体化した硬めのゴムで覆っている構造のせいである。使っているうちに多少は柔らかくなるかと思ったが、いくら操作しまくってもまだ硬いままである。クリック感もないので、押したかどうかもよくわからないことがある。反応が鈍い(重い処理をしている)ときなど、押しすぎてメニュー項目を行き過ぎてしまうこともある。

またメニュー構成も工夫して欲しいところだ。メニューは階層化されているが、行きと帰りで操作が対称でなかったりする (サブメニューに入り、操作して抜けると別の階層)。メニューツリーも木構造ではなく、変なところで枝がつながった木になっている。あまり押したくないボタンなのに、普通押しと長押しで機能を兼用しているボタンがあまりに多い。あまり使わない『Homeの位置設定』なんてのが2回程度の操作でできる割に、好きなポイントを呼び出すなどというのがメニューの奥深かったりする。反応の鈍さ(処理速度)の問題なのだが、リストのスクロールなどが遅いのが致命的で、ボタンのオートリピートもきくが1行スクロールするのに1秒近くかかる(ぷちぷち押せば速いがあまり押したくない)。したがって文字が3行しか表示できないディスプレイでは、ポイントを5個以上登録すると呼び出すのも困難である。