Ev:harunatsu
出典: Tariki
春夏秋冬そして春
- (mixi review: 2006/ 6/26) ★★★★★
- キム・ギドク (監督)
- オ・ヨンス, オ・ヨンス, キム・ギドク, キム・ジョンホ, キム・ヨンミン
訳の分からない映画である。
訳が分からないが美しい映画を撮りたいがために、国立公園でロケをしたらしい。許可が出るためには一筋縄ではいかなかったようだが、いずれにしても手を加えてはいけない美しい区域に、建造物を作るなどという暴挙に出てまで何を撮りたかったんだろうか。
訳が分からないといって思考を放棄する奴は大嫌いだ。
というわけで、自分なりの解釈を加えてみる。以下spoiler注意。
韓国語でキリストとよく似た発音の名前のこの監督が描き出すのは、仏教的世界観である。というのはタイトルをみても分かることだが、季節だけではなく主人公がエンディングでいつの間にか師を継ぐことでも分かる。ただ心を鎮めるために般若心経266文字を彫らせるそのこと(写経するだけでも一仕事だ)と、その意味するところを、漢字を放棄した韓国の若い世代は理解できるのだろうか。おどろおどろしい文字列としてのビジュアルだけに終始しているような気もする。
この映画で気になるのは、『教育の無力さ』ということである。生き物を虐待する子供を見守りつつもすぐは叱らないで、後でその生き物の立場で思い知らさせる。いやぁ立派な教育ですね、などと思ってみていると、結局それは子供に殺生の業を背負わせてしまうことになり、結局は師自らも跳ね返ってきた業に焼き尽くされることになる。これをいわゆる教育といってしまえば陳腐だが(だがまあ教育だろう)、教育などしてもしなくてももっと大局(定めとか)からみたら些細なこと、というようにも取れる。
などと小難しいことを考えているが、当のキム・ギドク監督は「美しいから撮ったんだよ~ん」とか深いことは考えていないかもしれない(笑)。深淵なふりをしてゲージュツぶって面白くもなんともないものは映画としては失格だと思うが、この映画はとりあえず面白い。同監督の『悪い男』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002CHQ0I/mixi02-22/249-9708718-8491509 ほど分かりやすい (男にとってだけかもしれないが)面白さではないが、とにかく面白い。
何よりも綺麗だ。美しい。美しいものは何にも勝るので星5つ。

