Ev:dynamite
出典: Tariki
ダイナマイト
- ★★★★☆ (2006年03月07日 @mixi)
- 2005
- ソニーミュージックエンタテインメント
- ジャミロクワイ
高校生のときだったか、馴染みのレコード屋の兄ちゃんからこんなのがあるよ、という推薦を受けた。45回転12インチサイズのシングル盤だ。どうやらイギリスの2人組、白人が唄っているようだがばきべきのファンクだ。自分で作曲やプロデュースもしているらしい。 一聴してすぐ予約したのだが(当時はフルサイズの試聴盤がレコード屋に来ていたのだ)、『クラブ・トロピカーナ』という曲だった。2人は後に有名になり、洋楽ベスト10番組にも登場し、『うきうきウェイク・ミー・アップ』という『ビートルズがやってきた! ヤァ! ヤァ! ヤァ!』状態な邦題を付けられたおちゃらけ曲でチャートを駆け上った。ほどなく『ぴんから兄弟』状態であることが判明して、実力派のマイケル君は独立した。
どうも、JamiroquaiのJKという男を見ていると、Wham! というバンドを思い出さずにはいられない。もちろんJKは、いかにも『元祖ラッパー』みたいないい加減な風貌をしつつもきちんと唄えるし (それも、崩さないかなり上手・明瞭な発音でハイトーンを自在に操り、声質も良い)、そこそこ良い曲を書き詩にメッセージを込め、それを気持ちよくプロデュースして送り出す。もう10年選手(以上?)で相変わらずのテンションを維持しているのだから、『愛と宇宙と民俗音楽』みたいな、一歩間違うとお笑いか宗教になりかねないコンセプトも真面目に受け止められているのだ。
しかし、このバンド(?)、どうにもJK以外のキャラクターが見えない。名前を知らない、とか個性がない、とかいうのではない。おそらくJKが敬愛するであろう(全然JKに興味がないので知らないが) S. Wonderの歴代の作品と比べてみれば、例えばスティービーのバックには必ず、ミュージシャンがおり(当たり前だ)、一緒に気持ちの良いサウンドを創り上げている姿がみえる。だがJamiroquaiのアルバムで演奏しているミュージシャン・エンジニア・その他の人々は、確かに超一流の腕であるのだが、JKというキャラクターの後ろでは、すべてプラスチック製の人形のように感じられるのだ。8トラオーディオの前で気炎を上げている、町内カラオケキングの上手な唄を聴いているみたいに錯覚する事がある。
本作も久しぶりのJamiroquaiなのであるが、先週初めて(発売されてから半年以上経っている)街のレコード屋さんでCDの試聴をしていてみつけ、やはりサウンドは超一流に気持ちよいので欲しくなった。が、そのレコード屋さんには置いていない(笑)。あまりネット通販で買いすぎて街のレコード屋さんの存在意義が薄れるのもなんだから、翌日別の街のレコード屋さんで買った(笑)。試聴盤を提供していたレコード屋さんは販売機会を逸している。即MP3化し、私のPDAでヘビーローテーションに入った。
M-1. Feels Just Like It Shouldでいつものようにエスノテクノなサウンドで始まり、タイトル曲 M-2. Dynamiteでアルバムの方向性を示し、M-5. Starchild で拡がりを感じさせ、M-8. Give Hate a Chanceで皆をダンスに誘い、M-12. Time Won't Wait (これは文句なしに気持ち良い)でびしっと締める一連の物語になっている。国内盤オンリーのボーナストラックM-13. のFeel So Goodのremixは余計である(せめて入れるなら配置を考えて欲しかった)。国内盤もなかなか安くなってるのはよいが、アンコール乞食に媚びる余計なボーナスである。
さてさてJKくんは、毎年クリスマスシーズンになるとイヤでも聴いてしまうような、『腐っても定番』をこの先、リリースする事ができるのだろうか。
