D:090720
出典: Tariki
人類ふたたび月へ行く
いま7月20日の未明であるが、NASAのListen to the Apollo 11 Radiocastを聴きながら仕事をしている。手元にはもちろんアポロおたく必須アイテムHasselbladとSpeedmaster(笑)を置いてなでなでしながら。世間様は3連休であるにもかかわらず弊社は日・月と出勤で、しかも忙しい(泣)。いいのか起きてて。
ここしばらく、宇宙ブームである。5年ぶりくらいの日食 (国内での皆既日食は40何年ぶりらしいが、どうせ観にいけない離島なら5年ぶりの部分日食じゃ)、そしてアポロ月着陸40周年。これを狙ったかのように『大人の超合金』サターンロケットやタミヤのアポロプラモデル再発、『ふたつのスピカ』ドラマ化などなど。
その一環かしらないが、再発してしばらくしてなくなったはずのアオシマのアポロのプラモデルがなぜかよくネットで売り出されていたりして、さっそくこないだ入手して組み立てている。ちなみに今組み立てているのは『指令船+月着陸船』だが、このシリーズは私が小さいときに発売されていた (もちろん作った。『月着陸船』だったと記憶しているが) そのものの金型で再製造してるとか。出来もまあ昭和40年代プラモなのだが、驚くほど部品が少ない。大人の技術力で凝りまくって作るべく、ぺたぺた色を塗ったり、あちこち改造したり汚し塗装をしたり、遮光用の金色に縫ったアルミ箔を貼り付けたりしている。私の技術力の進歩もさることながら(笑)、いまはネットでいくらでも資料映像が手に入る。号ごとの指令船・着陸船の気づかなかった違いも発見したり、そもそも当時のプラモデルの外装・配色が誤っているのを発見したり (いまと比較にならないくらい入手しにくい資料で金型を完成させたのだから大したものだが)、というおまけもあった。完成は今日の予定だ。
さてNASAのApollo 11 Radiocastであるが、当時の録音をちょうど40年ジャストずらして、打ち上げから着水までをストリーム中継してしまおう、という企画である。膨大な映像もそうだが、よく長時間録音をして、残していると思う。それも一語一文字書き起こしたテキストもあるのだ。
大変なミッションとはいえ交信はたまにしかない。録音がない部分などはループのぷちぷちノイズを入れているのだと思うが、現在の解説者が出てきてときどき経過時間・距離・速度などを読み上げてくれるので、退屈しない。昨晩は記者会見なども入った。
ちょうどいまひとつのハイライト、月の裏側に入って(その時刻になるとノイズが増えるから凝ったものだ)、月裏側で減速して(LOI-1)いま出てきたところだ。これはまさに当時の録音だと思うが、もの凄いノイズである。ちょっとした感動ものである。
そんな中で、「管制室にはD. スレイトン率いるチームが……宇宙飛行士のピート・コンラッド、フレッド・ヘイズ、ジム・ラベル、……、が見守り……」(聴き間違いかもしれないが)などというくだりがあった。現代の解説者が当時の記録をみて『実況中継風』にやっているのだろう (シャトルの実況のように)。登場人物はすべて実在の人物である。彼らアポロ(1・8~17号)飛行士は生きていてももう高齢であるのを昨秋の映画『ザ・ムーン』で観ているので、何か変な気分である。とともに、そのとき4歳の私もこの世のどこかにいたんだなあ、と思うとますます不思議である。
スペースシャトルの中継をNASA Radioでよく聴いていると分かると思うが、まったく同じである。これはまさに40年前にインターネットがありストリームで中継を見守っていられたらどうなるか、という実験である。デジタルTVで生中継が1秒遅れるように、たまたま生中継が40年ちょうどずれているだけであり、今起きていることとして44歳の私が4歳の私と一緒に再体験している。ちょうど同じプラモデルも作りながらね(笑)。
今日(日本時間で明日未明)はいよいよ、人類が月に降り立つ瞬間である。月を見ながらRadiocastでも聴きたいところだが、あいにく今年は2日後に日食ということはほとんど新月なわけで。
この項まだまだ続く。
今日はいよいよ着陸の日だ (※ ただし40年前)。朝2時半に起きて、着陸船の脚に色を塗り、映画『Apollo 11』を観ながら、指令船・着陸船切り離し~動力降下の中継を聴いている。
今日は中継も重く、もうひとつの『40年前中継サイト』 http://www.wechoosethemoon.org/ と交互に聴きながら気づいたことがある。まず、Apollo Controlこと『解説者』は40年前に一緒に解説したものを録音しているということ (これはテキスト化された記録 http://www.jsc.nasa.gov/history/mission_trans/AS11_PAO.PDF にもデクテーションがある。気づかなかった)。この中継は当時、例えばセンターに来ているお偉方とか家族向けには役に立ったと思うが、ラジオやTVではほとんどそのまま放送されてはいないだろうし (いまみたいにいつでも聴けるインターネット中継もない)、まさに40年後の今日役立つ解説である。
だからもうひとつ気づいたこと、録音は台詞部分だけを切り貼りして時刻になったら流しているのではなく(テープ交換はあるだろうが)、流しっぱなしにして録音されたものである。ノイズもそのままリアルタイムなのだ。まさにリアリティである。
映画『Apollo 11』は、原作とともに好きな映画のひとつだ。『Max Headroom』で主演したMatt Frewer (「ままままーっくす」と言いそうでつい笑っちゃう) 扮するG. Krantzが、着陸オペレーション寸前にドアをロックして、皆を励ますシーンがある。いささかドラマチックに誇張されてはいるが、おそらくApolloを着陸させた信念はこのとおりなのだろう。
「今日我々は月に行く。いままで誰も体験したことがないことだが、やり遂げるしかない。訓練のとおりやるだけだ。そしてやり遂げたら、いつものバーでビールを飲みながら『やったぜ』と言うんだ」。
