Avi:plane:price

出典: Tariki

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飛行機の値段

先日、某空港展望台を見学していると、家族連れが喋っているのが耳に入った。

婆: 「そんで、○○ちゃん(小さい子)はパイロットになるの諦めたの?」
母: 「パイロットになるのやめて、飛行機買うんだって。そのうち安くなったら買うって」(爆笑)

無関係な私も爆笑してしまったくらいだから純粋に面白くて目くじら立てるつもりもないが、冷静に考えるとこういう考えをする子供というのは危険だと思う。何が危険って、要するに『待っていればどんなモノでも安くなる』というのは最近の世の常ではあるけど、結局これってモデルチェンジ・使い捨て・経済は右肩上がりということの上に立脚していて、結局それが地球を危機に陥らせている元凶である。

まあその子が死ぬまでは経済は右肩上がりかもしれないし、持続可能な発展なんて幻想に過ぎないし、現実にはそれでいいのかもしれないけど、『地球の未来を担う』子供が物心も付かぬうちからこう思い込むようでは、やはり人類はあと数十~数百年で死滅するのだろうなあ。○○ちゃん、君のパパが10万円で買ったPCは世が世なら100億円出しても買えなかったのだよ。だからといってジャンボジェットが10万円で一家に一台という時代は来ないのだよ。

旅客機の値段

そう、私が子供のころから知っているのは

  • ジャンボジェットは100億円

である。1円の価値もずいぶん変わったし(そもそもそれって1ドル360円時代のはなし?)、今ではB744 (これから新品で買うならB748か) も3、400億円に値上がりしているとは思う。しかしオーダとしてはそんなもんだろう。

最新鋭機ということでは、先日飛び始めた

  • A380は3億ドルくらい

という記述をどこかでみた。400億円弱だろうが、いまはユーロが強い。実感としては(例えばジュース一杯がいくらで買えるかとか)100円 = 1ドル = 1ユーロくらいなので、ドル表記のこれは200億円相当といったところだろうか。

航空機はまともに買う奴はあまりいない。リースというシステムを使う。航空機の登録情報などを眺めているとよく、持ち主がなんとかファイナンスになっている航空機が多いのだが、別になんとかファイナンスというサラ金の社長が儲かりすぎて趣味の航空機を購入……というわけではない。リース会社から各国の航空会社が借りるわけだ。実際は借りたものを勝手に塗りたくったり内装を換えたりして自社の航空機として運行するわけだが、このリース会社のおかげで所有者(登録情報)を眺めているだけではどこの航空会社の所属か分かりにくい。船のパナマ船籍なんてのも同じなのかな?

リース方式のメリットは『要らなくなったら換えられる』ことだそうだ。つまり企業でのPCなんかのリースと同じわけだが、結局要らなくなった航空機(PC)がどこにいくかというと、より金のない別の航空会社(企業や中古PC屋の客)が格安リースとか買い取りとかするわけで。

上のA380だって

  • A380をリース会社から借りると月に160万ドル

だそうだ。高いような安いような。月に2億円でA380が借りられるとしたら、日割りで600万円くらいである。たしかシンガポール航空のA380は500席くらいだったと思うが、こんなんなら1日1回転させれば、各シートの客あたり払う航空券の中から(いまなら激安ということもないだろうし、区間にもよるが10万以上はするのではないか)1万2千円が機材代となればよいわけである。うはうはである。リース会社は10~20年で元を取るわけだ (A380を正価で買ったとして利益率30%で15年経ったら3割の価格で売れる)。

これが激安国内線とかになると事情が厳しくなるだろう。AirDoがB736あたりを導入するのにリースより買取を選んだ、という記事で、リースなら月1億円かかるので100億円(値引きあり)なら買い取った方が安い、という発表を読んだ。ちなみに値引きしないとこの航空機は150億するらしい。

  • B736をリースなら月1億かかる
  • B736は値引きなしなら150億円
  • 値引きありで100億円

やはり航空機の値段は水物だ。全日空が今度A380を導入するに当たって、買い取り価格を半額くらい(400億が200何十億か)に値切った、というニュースを聞いて、なんだそりゃ、と思った。上の2つの例はどちらもA社とB社の販売競争の思惑が絡んでいるのだろう。○○ちゃん、航空機は待てば安くなるわけでもないのだよ。

話を元に戻すと、ボーイング737クラスなら200席ちょっとだと思うので、月1億でリースしていたとしたら、上記と同じ計算で一日350万くらいは掛かることになる。おそらく国内線なら4~6回転はするだろうが、満席というわけにもいかないので7割とみて、一日に800人くらいしか乗せられない。すると航空券代のうち4000円は機材のレンタル料金になるのである。正規運賃3万円以上というチケットならどうということはないだろうが、かつて私は特割だったかで9000円とかのチケットを買ったことがある(ちなみにいまはない)。このうち4000円も機材代にかかったらあと燃料代、人件費、整備費用も出ないだろう。

自家用機の値段

まあ旅客機は買う予定もないし買っても操縦できないし運行できないし置いてもおけないので、自家用機とかビジネスジェットはいくらかみてみる。

と思ったら

サウジアラビア王子のアルワリードがプライベート用にA380を4億ドルでご購入

という記事があった。○○ちゃん、旅客機を買いたければ王子に生まれるしかないのだよ(泣)。

気を取り直して。飛行機売買で有名なのはeBay (eBay motors) だろう。他にもアメリカの中古航空機専門店のwebページなどというものがある。単発プロペラ機なら中古でeBayでごろごろ出てくる。最新のセスナ182クラスの高いので26万ドルとか、60年代のC150が11000ドル (buy it nowだ。競れば数千ドルで落ちるだろう)なんて、もうアメリカじゃ自家用車感覚である。

  • 単発プロペラ機はオークションで数千~数十万ドル

他にも書いたが、私の好きな双発10人以下乗りジェット機である。

  • Learjet (45とか60くらいのクラス)は新品で10億円ちょっと
  • 中古なら1億円とかで買える

らしい。

このくらいなら、ある日かわいそうな老人に親切にしてやると恩義を感じてなぜか私に10億円くらい残してくれたりしさえすれば(まずこの時点で無理)、実際に飛ばすのも無理じゃないような気もする。1億で機体を購入・整備して、年間の整備とか駐機費用が数千万くらい、専属Pを年俸2000万で雇って私が忙しいときは香港2泊3日重役8人乗りで500万のチャータービジネス機とかの客運に使ってもらい、暇になったら操縦を指導してもらったり私の旅行につき合わせたりする。こうすれば最悪客が来なくて年1億くらい赤字出しても、10億で10年くらいは持つだろう。そのうち飽きたら売却する。と妄想してみたりするが、これってはじめから黒字出すつもりならビジネスになるか(笑)。

戦闘機の値段

これは最近のF-X選定問題でいろいろ取りざたされているので、耳に入ってくることも多くなった。値引きはまああるだろうがリースはない(笑)し、旅客機並みに高いのに1~2人乗りで、元が取れる(って何?)見込みもない。