Avi:fs:turn

出典: Tariki

目次

旋回に関する考察

デバイスに関する考察

FS2004に手を出してから、標準旋回とか旋回進入方式に凝っている。そんなもの、最初のころに練習しろよ、といわれそうだが、シミュレータはシミュレータ。実機とは違う。デバイスの制限の問題も大きいのだ。

まずディスプレイ。視野角が標準で何度なのかしらないが、実感としては35mmフィルムの28mm広角レンズ程度のような気がする。それって広いんじゃない、といわれそうだが、28mmのファインダー (しかも前方固定) を覗きながら着陸しろ、といわれたら、プロのパイロットだってパニックになると思う(笑)。実機よりシミュレータのほうが難しいポイントのひとつだろう (実機飛ばしたことないけどさ)。

これはジョイスティックで視点切り替えを簡単にできるかという問題も大きい。FS98くらいだろうか、しょぼいジョイスティックを使っていたときは (あるいはソフトにもその機能はあったかどうか定かではない) ハットスイッチで左右を見るなどというのは思いも付かなかった。その後FS2000でMSサイドワインダーフォースフィードバックに上げたが、やはり面倒なので滅多に左右はみなかった。きちんとしたヨークを最近買って、便利な位置にハットスイッチも付いており、ああ左右も見渡すと便利だな、と思った。なおこれにはボタンがたくさんついており、計器パネルもオフにしてから左右を見られるというのが簡単にできるのも大きい。実に通常の視点から左右を見ても、左はともかく右は空のコパイ席がみえるだけであまり嬉しくない。

さらにマルチディスプレイ時代になってからは、左右の景色も『増設』してしまう輩が増え始めたが、28mmで飛びなれた私としてはあまり魅力を感じない (別に書くが、むしろ前方を景色と計器パネルに分けたいくらいだ)。

TrackIRを入手して左右を見渡すのが簡単になってしまったが、こうなると逆に、着陸寸前などふつうに前方だけ見ていたいときに操作しにくい (これも別に文句を垂れる)。着陸寸前だけ視点切り替えでバーチャルコックピットからゲームのコックピットに戻ってくるのもアリかもしれないが、それもなんかVR魂に反する気がする(笑)。

で、従来狭い視野で進入をするとなると、旋回進入方式などというものはくそ食らえなのである。あれは、少なくとも真横、できれば斜め後ろくらい見渡せる実機で便利な方式なのである (本当に楽な進入方式なのだなあ、ということは視点切り替えとかTrackIRではじめてわかった)。だからいまこそ旋回侵入であり標準旋回なのだ。

ちなみに狭い視野でどうやって進入するかというと (別に書くが、FS2004ではGPSとかそれ以前でトップダウンウィンドウを開いておく、ある種のIFRというか、『ずる』をすればこんなの別に必要ないのだが)。まず空港上空に入り、そのとき滑走路方位をみてそれに合わせて(逆方向に)飛び去っておく。数分直線飛行をしたら、まず左45度くらい、次に右に270度くらい旋回をしてさらに左に45度戻すと、あら見事滑走路は目の前、という方式である(笑)。

FAAがきいたら腰を抜かしそうな方式だと思っていたが、実はこれそんなに悪くなく、類似する進入方式がある(滑走路方位から30度で3分飛び去って標準旋回で270度、とかそんな感じ)のは最近知った。

リズム、あるいは時計に関する考察

標準旋回は何のためにあるか。機速が違えば半径が違うのに、何が標準なんだろうか。

思うに、ホールディングパターンの両端で同じ半径の円を描くとか(両端で半径が違うと同じところに戻ってこない)いうときにまず重要だ。半径が違うといっても機速が同じなら半径は同じになるから、この対応関係も重要だろう。ウェイポイントの手前 (ベースレグの出入り口とか) で曲がるときにだいたいどのくらい手前で曲がれば思ったラジアルで飛び去ることができるか (たとえば90度ターンである速度で半径2miとわかっていれば、2mi手前で曲がればぴったしウェイポイントから90度ラジアルで飛び去れる)、といったことに使うのだろう。

よく教科書に、標準旋回をするときの速度ごとのバンク角の取り方、というのがあるが、私はこれが嫌いだ(笑)。まず覚えなきゃいけないし(ちょっと見、機速とバンク角に非線形な関係があるように見える)、次にバンク角を一定に取れない。FDIの表示が大雑把なのもあるけど、だいたいアナログのメータで角度を読むのが苦手だ。IFRの練習をするようになってから割と5度以下の角度を合わせなければいけないことに気づいたが、デジタルの数字を『読みながら』なら割と精密に合わせられても (愛機LearjetのFDI・DMEには一応、両方の表示がある) 、DMEの針はどーも10度くらいずれていても気づかないことがある(笑)。

そこで標準旋回の定義どおり、30秒で90度、秒3度の割合で曲がる方が私は楽だ。

最初に開発したのが『テンポ法』である。ドラマーなので、テンポ60で心の中で3連符を刻め、といわれたら「かっかっかっ、かっかっかっ」と音が聴こえてくる(幻聴だ)。あとはこれに合わせてデジタルの方位角表示が度を刻むようにバンクを制御すればよい。

この方法は、計器にデジタル方位角表示がないと使えない。なおかつやはり30秒もやっていれば誤差が累積してきて、5秒くらい延びてしまうことがある。そこで次に開発したのが、アナログ時計を使う方法である (いまは両方を併用している)。

アナログの秒針は30秒で180度『旋回』してくれるので、この半分の速度で回転すればよい。おおむね15秒で45度、30秒で90度、……と合わせながらバンクをコントロールすればよいので、誤差も累積しない。ただしその代わりどうも、切りはじめであわてて急旋回をし、後でつじつまを合わせる傾向があるため、『フライトの分析』をみるといびつな半円になることもある。

このためにアナログの秒針の時計を横に置いて使っていたが、できればストップウォッチが良い(好きなときに0秒ではじめられる)。秒針がどこにあっても相対的に読めばよいが、DMEの表示も上下を向いていないところから始めなければならなければ、2つのオフセットを足し引きして読むのであまり直感的ではない。

なおデジタル時計はこの方法には向いていない。数字の読みを角度に変換するのに結局『計算』が必要で、直感的には読めない。愛機Learjetのコンソールにはデジタル時計があるが、別に時計が必要である。

こんなこともあるんだから、パイロット向けに秒針が2分で1周する時計を作ればいいのに、と思った。パイロットウォッチを標榜する某外国メーカーとか某国産メーカーのモデルも、計算尺やらなにやら付いている割にはこういうところが抜けている。

と思ったが、とあるシーナリで久しぶりにS172Pで飛んでみたら、なんと標準旋回を示すメータが(バンク計・すべり計に一緒に)付いているんですねえ。ぎゃふん。

あと、実機で飛び慣れるといちいち標準旋回とか時計で計ったりはしないとのこと。まあそんなもんですかね。

旋回に関する公式

ほとんど自分メモ。標準旋回がしたければ速度(knot)を7で割れ (バンク角(度))

バンク角θ、速度v (重力加速度g)でスリップなしに旋回したとすると、旋回半径r

    r = v2/(g・tan(θ))    -(1)

になる。らしい(笑)。後付けで考えると(高校のときの物理の覚え方はいつもこうだった)、機がθだけロールしているのに重力gと横移動の加速度の合力で床面に垂直に加速度が働いているので、横移動の加速度がg・tan(θ)。これと遠心力v2/rが釣り合っていると。

また標準旋回なら120秒で一周回るので、旋回直径 (これが旋回の幅ということになる) 2r のとき120秒で

    120v = 2πr    -(2)

だけ進む。以上から

    tan(θ) = πv/60 g    -(3)

なのだけど、θ≒0のときは tan(θ)≒sin(θ)≒θなので θ≒πv/60 g。さらに度で表わしたθをΘ (θ = πΘ / 180)、knotで表わしたvV (v≒0.5V) 、gを大体10とすると

    π×0.5V / 600≒Θπ/180
    Θ≒3/20V    -(4)

となってしまう。面倒なら速度(knot)を7で割ればバンク角、ということになる。

それから(2)式からr≒20v≒10Vだから、notical mileで表わした半径をRとすると(R≒1/1800r)

    RV / 180
    (旋回の直径) 2RV / 90    -(5)

これも良い近似だ。