データの流し台
DDS
(DAT data drive)
vs. Exabyte


★★★
★★1/2

私とExabyte

の付き合いは、既に8年近くになる。初代EXB-8202 (だったか忘れた) あたりは、ワークステーション(特にSun)ユーザに人気が高かった(と思う)。 あ、この項は記憶を頼りに書いているのでかなりスペックが間違っているかも しれません。

その後、大容量・圧縮可能(確か公称20GB(圧縮時))のEXB-8205が出て、 これもFreeBSDワークステーションなんかで使っていた。 で、この時代はExabyteって★★1/2なデバイスだな〜、と思っていたのだ。 理由は、一般用メディアが使える、つまり貧乏人の友だということだ。 Exabyte用テープは5千円くらいする。まあそれだって『ギガ単価』を考えたら 安っ〜いものなのだが、なななんと普通に売っている8mmビデオテープを挿入し ても記録できる。 ノーマルテープ(SONYでいえば『MP』)はOK、ハイグレード(SONYなら『HG』)は 使えたかどうか忘れた。Hi8テープはもちろん不可。 一本20GBが400円ちょっととかで(笑)、 それもベリファイしてもエラーが検出されたことはない。 これはありがたい。

まあ余談ですが、オーディオ・ビデオ用とデータ用が明確に区別されていて、 流用ができない仕掛けになっているものの方が実は世の中少なくて、 MD dataなんかがそうなんですけども、 これが失敗の一因になると思う。メディアが普通に売られている音楽用MDだ、 とかなったら、ドライブの売れ行きも良くなると思うんだけどね(笑)。

私の中でExabyteが評判を落とすのは、次章で書くようにDDS-3が登場してからで あった。いや、実はこっち系のデバイスを売っているメーカーの技術営業の方か ら「Exabyteはテープの巻き付き角が浅くて、絡むことが多いんすよね〜。 うちではExabyteとDDS両方扱っていますが、DDSをお勧めしますよ」という 話をきいた(きいただけでそのときは買わなかった(笑)。確か)ことがあるのだ。 だがじぶん的には困っていなかったので、そのときはききながしていた。 まあDDSに浮気した話は次に。

私とDDS

それに対してDDSとの付き合いは4年ほどしかない。買った頃は当然、4mm DATと かよばれていて、一本たったの1.2GBだ。しかも噂にきくと、専用テープが先頭 に容量を 記録してあって、それでないと使えないという(後述するが、これは間違いで あった)。

まあたまにDDSで大容量データをもらうこともあるので、一応研究室に装備は しておいた。だがあまり使ったことはない。もちろん、オーディオテープが使え るか試してみたことはなかった。まあいいか、研究室のホームディレクトリ は4GB(当時)なので、Exabyteでいいし。

ところが今年に入ってDVノンリニア編集なんてものを はじめると、バックアップを取りたいデータが湯水のように湧いて(笑)きたのだ。 つまりDVフォーマットのデータは9分15秒で2GBである。例えば旅行で、 60分程度のスナップビデオを一本撮って、Adobe Premiereで編集したとしよう。これを取り込んだ素材は延べ14GBからあるわけ である。編集が終わるまでHDDから追い出さないでおいて、編集が終わると同時 に破棄するならば、順次取り込んで編集、編集が終わった部分を書き出して データは捨てればよい。だが、HDD編集のメリットを活かして後日また再編集 できるようにするには、この14GBを全部取っておかなければならない 完成品、まあ60分の素材からできるのは10〜30分程度であろうが、そのデータ も取っておくとするとプラス2〜8GBである。もっとも完成品はDVテープに 記録(つまり観れるようにするんだよっ)しておけば、いつでも可逆に取り込める (DV記録は非可逆だが、基本的にHDD上にコンパイルが終わったDVデータとは 可逆である)ので、これは必要ないかも知れない。

余談ですが、ということは早いとこIEEE1394とDVが普及して、DV dataなんて記録 デバイスができればいいなっ、とかも思うのですね(笑)。2GBで9分ですよ9分。 もっとも音声・動画記録用フォーマットとデータ記録用フォーマットは CD (CD-ROM)でもDAT (DDS)でもちょっと容量が違うし、圧縮しながら記録とかい うのが出てくれば、フルにこのレートで転送もできないでしょうが。あとこの レートをフルに使って転送しようとすれば、こっちに も書いたようにPC側がかなりきつくなる。まあそれはいいけど。

でもって最初はExabyteをDV編集のバックアップに使ってみようとした。 ところがどっこい、その時期に故障が発生したのである(爆笑)。 もちろん、普段研究室の貴重なデータのバックアップを取っているExabyteで あるから、買い換えを考えた。

だがいろいろきいてみると、今日日DDSってのはバージョン3まで進化して、一本 12GB(非圧縮時)からのデータが入るという。しかもですねー、Exabyteはその後 (前述のようにテープ巻き付き角の問題とかあったのだろう)、次第にマイナーへ マイナーへと追いやられていったのであった。つまりExabyteを作っているのは Exabyte社(ってあるのか? 提案したのはSONYぢゃないのか?)というか、 Exabyteブランド一個であるのに対し、 DDSは前述のように4mm DATという名前で複数のメーカがいろんなドライブを作っ ていたのである(実はDSDS-1の規格提案もSONYだったらしい(爆笑))。

というわけで、DDS-3を導入していきなり、わたし的評価(DAT筋の)は ★→★★★に移行しました。以後はDDS-3についてのあれこれを書きます。 でベンチマーク(?)に使うのは当然DV編集の用途のデータなわけで、 DV編集、DV編集ってうるさいかもしれませんが、これってCPUパワーは バカ喰いするし、HDDやストリーマは大容量を要求するし、いわゆる そんな過剰スペック必要なの? という今日のPCに対してのキラーアプリケーショ ンとなりそうなので、丁度いい性能評価条件だと思うよ。

DDS-1との日々

前述のように、DDS-1についてはあまり書けることはないのですけれども。 っていうか、CD-Rドライブ(650MB)が普及してこれからDVD-RAM (片面2.7GB、 両面5.4GB)が普及していこうかっていう今日このごろ、 一本1.3GBっていうテープメディアはあまり有難くないかも知れない。 とはいえ、FreeBSD (っていうかUNIX系)OSで、GNU tarなどを使ってバックアッ プするならば、これらの『ディスク型大容量デバイス』は役立つのですが、 Win95やWinNTの『バックアップ』なんていうアプリケーションは、どんなに大容 量であろうと、『その容量を超えたときにメディア交換を促すことができる』の はテープ型デバイスに限られる(タコな設計だ)。だからそういう意味では、 4GBくらいのパーティションのHDDをもっている人にはまだまだ有難いのかも。

気になる速度だが、HPのC1537Aというドライブでは100KB/sec程度、 1.3GBのバックアップを取るのにほぼ2時間弱であった。 例によってDVのデータをバックアップする場合(WinNTの『バックアップ』)、 9分15秒の映像 = 2GB = 3時間程度のバックアップ、ということになります。こりゃ使う気に なれんわ(笑)。

メディア単価は、1.3GBで千円ちょっとくらいまで下がっているが、 500円のオーディオ用DATテープ(120分で1.2GBくらいのようです)も使えるよう であった。

ちなみにオーディオ用DATの走行速度は秒8.15mm(SPモード時。LPではこの 半分)とのことなので、DDS-1の 60m/90mテープというのが122分/184分ということになる。 なんとDDS-2の120mテープはオーディオ用だと245分、 DDS-3の125mテープが255分ということになるんだろうか (参照)。 現在売られているオーディオ用の最長がたしか180分である。 専用テープを使えっつーことっすね(笑)。恐れ入りやした。

どうやらDDS-1ドライブではテープ長が分からない場合、 ドライブにテープを挿入した次点で一回速送りし、巻き戻して長さを確かめて いるようである。

さて信頼性ですが、まあ誤り訂正符号はいわずもがな。訂正できない誤りは 1/10-15ということだから、DDS-3テープ100000本に付き1ビット 誤るくらいの信頼性である。 その他メディア不良に関しては、 DDS-1ドライブでは(後述DDS-3ドライブでも)、 read after writeという方法を取っているようである。 つまり書き込み速度に影響されず(リトライがあると速度落ちると思うけど) 『今書いた部分を読む』(ヘッドが2つあるんでしょう)方法で、正しく書けたか どうかをベリファイしているようである。オーディオ用DATテープなど使うから いけないんだけど(笑)、これときどきやってるみたいっすね。「かちっかちっ」 とかいう音がしたときは、多分『今書いた部分が読めない』のでリトライ していることなのでしょう。

DDS-3との日々

といってもまだ2日の付き合いなんですけれども(笑)。徐々に更新されるでしょ う。

まず入手したドライブは、HPのC1554Aというものであった。奇しくも手元にあっ たDDS-1ドライブの後継機。ところがこれ、SCSI BIOS (AHA-2940)でも もちろん4mm DATドライバ(WinNT)でもC1537Aと表示されてしまう。 まあ圧縮は効くしDDS-3も使えているので今のところ、問題ないのですが。

以下DDS-1ドライブといったら前述のHP C1537A、DDS-3ドライブといったら C1554Aのことを指します。必ずしもすべてのドライブでこうなっているとは 限らないので、念のため(他機種の相違点も メールしてくれたらうれしいです)。

まずC1554Aですが、公式にはこれ、C1555として売られているものらしいです。 つまり、HPの見解(?)としては、C1554AはOEM向けであるので (入手したのはバルク品筋からであった)、あまり末端ユーザ が使わないで欲しいっつうことかな。値段は実売で3万ちょっと違ったのだが (C1554Aは13万弱)、違いはというと、『キット』が付いているかどうからしい っす。よくわからないけど、ドライバとかアプリケーションの収録され たディスクの有無みたい。

で、ドライバがないとどうなるかというと……まず使用の第一目的である FreeBSDのワークステーションでは問題ない(これは日本のFreeBSDコミュニティのページ の、MLの過去記事検索などで確認済み)。第二目的のWin95/NTではどうかという と……HPのページでNTのドライバが入手 できるではありませんか(笑)。それどころか95用のバックアップツールなども完 備。

さてインストールは、すごく親切なマニュアル(英文)が付属していたので、 問題はなかった。SCSI IDとターミネーションの設定はまあ普通で、 ディップスイッチで設定すべきところは、デフォルトで圧縮するかしないか、 PCからの命令で圧縮するかしないか、あとDDSテープの自動判別を行なうかどう かあたり。

最後のひとつは、実は私がかつて「専用テープでないと使えない」 ときいたあたりと関係している。Media Recognition Systemである。 つまり新しいDDS-1テープ(DDSマークの右に縦縞が4本 付いたロゴのもの)やDDS-2/3テープでは、先頭部分にDDS-1/2/3の区別の マークが入っているらしいっす。これを無視するかしないかの設定がこの スイッチ。実はこの設定を無視するとオーディオ用テープが使えるらしい (爆笑)というわけで、やはり貧乏人救済策は用意されていたようです。

マニュアルにはこのメディア自動認識がオンになっているとオーディオテープ などが読み出し専用でマウントされる、とは書いてあったが、 ではオフにしておくとオーディオテープはどうなるのか。 で、次から試してみるわけです(笑)。 一応データを先にまとめます。 表: 音楽DAT/DDSテープ一覧

メディア 用途* 長さ(m)容量
(無圧縮時)
(オーディオ用の
場合の時間(SP))
価格('98年6月)
音楽120分DDS-160m1.3GB(120分) 500円強
音楽180分DDS-190m2GB(180分) 800〜1000円
DDS-1
60m
DDS-160m1.3GB (120分) 1000円強
DDS-1
90m
DDS-190m2GB (120分) ???
DDS-2DDS-2120m4GB (240分)2000円強
DDS-3DDS-3125m12GB (255分)4000〜5000円
* 自動認識ONの場合。OFFにするとすべてDDS-1扱い?
オーディオ用テープ(120分)とDDS-3

というわけでまずはオーディオ用テープ(120分)を挿入してみた。 これはDDS-1の60mテープ(1.3GB)に相当する。 もちろんHPのページから入手したドライバで、4mm DATのドライバは更新して、 WinNTの『バックアップ』でバックアップを取ってみる。 圧縮のON/OFFのタグ(DDS-1のときはなかった)も現われている。 もちろん『圧縮』にチェックするが、結論から言うとこの場合、 DDS-1テープと認識されてしまい、1.3GB (だから非圧縮なんだろうね) しか記録できなかった。

ただし同じDDS-1フォーマットでの記録でも、DDS-1ドライブに比べて 転送速度は上がっているようである。 500KB/sec程度である。1.3GBのテープ一本を埋めるのに 45分程度、つまりDDS-1に比べると約4倍にスピードアップしている。 これがどの程度の速度かというと、前述のDVで9分15秒の映像 = 2GBデータ = 70分程度である。また、4倍速書き込みのCD-Rと比較してみると、 CD-R一枚分 = 650MBをフルに書くのにCD-Rドライブでは18.5分ということに なるが、このケースでは23分程度、つまり15%くらいCD-Rドライブに 負けていることになる。 オーディオ用テープ(180分)とDDS-3

次に180分テープを挿入してみる(DDS-1の60mテープ(1.3GB)に相当)。 これは薄手のベースを使っているので、 音楽用DATデッキでもあまり使用は推奨されていないものである。 でもDDS-3は250分(相当)テープまで扱えるんだもんね。知るか(笑)。

DDS-1の場合と違って、DDS-3ドライブは速送りしてテープ長さを確かめることは していないようである。どうやら、音楽用を挿入するとDDS-1テープと 無条件に判断するようである。テープエンドは、『書けなくなったら終わり』 (笑) という検出方法のようだ。テープエンドでリトライ音がし、交換してくださいと のメッセージがでる。

つまりこのドライブでは、自動認識スイッチをオフにした場合、オーディオ用 テープは使えるが、必ずDDS-1フォーマットで記録される。 しかも音楽用の場合90mを 超えるメディアは存在しないので、2GBが限界、ということのようだ。 他のドライブではどうかわからないが、もし短いサイズのテープ (例えば90m = 180分)にDDS-3フォーマットで記録できるドライブがあれば (そもそもDDS-2やDDS-3は120m/125mというテープ長さ込みで規格となって いるのかもしれないが)、 非圧縮時9GBまでは記録できると思うのだが。 清く正しいDDS-3テープ

上の実験の結果、自動認識をOFFにするとDDS-1テープとみなされてしまうようだ。 ではDDS-3の記録密度・圧縮の威力を発揮するにはどうするか。DDS-3テープを 買うしかないのである(泣笑)。

でもわかるように値段は激高なんですけどもね。 まあギガバイト割りにしてみると、12G (圧縮は信用していない(笑)。DV-AVIファイ ルとか、既に圧縮されたものだから)で4000円(DDS-3)と、2Gで1000円(音楽用180 分)とであまり変わらないのだけども、テープ入れ替えの手間とか、バックアッ プ速度とか考えると、割安ともいえよう。

本当に圧縮は効いていないんだか(もしかしてドライブがC1537Aと認識されてい るのが問題?)、1MB/秒程度である(2:1圧縮されていれば2MB/秒くらい出ると 書いてある)。ということは、(例によって)DVの9分15秒 = 2GB = 30分ちょっと、 である。うむ、バックアップメディアとしてこのくらいなら我慢できるかな。 CD-Rと比較してみると、650MB書き込むのには11分程度だから、6倍速書き込み 以上の速度が出ているわけである。

結論

というわけでまだまだこの項は続きます。 もしかして評価はまたどんどん変わってくるかも知れませんが、現時点で DDS-3ってのは★★★なデバイスでしょう。Exabyteにはがっかりさせられた (し、今後衰退していくだろうし)ので★に減点。