iMacのマウスは光るという噂があった(らしい。私がiMacに興味がなかった頃の話 なので)。だが実際には光らない。

ならば光らせよう。私が(笑)。


iMacマウスの構造

このマウス、単なる1ボタンのUSBマウスらしい。

parts of iMac mouse

機械的構造は簡単だ。両側のバンダイ……(もうええっちゅうに)ボンダイブルー 色のカバーを外すと(上下をメリッとはがすと捻るだけで外れる)、 ネジが2個出てくる。それを外して、上下を分離すれば終りだ。

上下の分離は、マウス全面(ボタン下あたり)を見てもらえばあきらかだが、 上部の後部を持ち上げつつ上部を後ろにずらすと爪がはずれて分離する。 まあぶっきーな人はここで爪を折って泣くことになるんだろうが、おそらく ネジ留めすれば爪などなくても平気である(笑)。

内部は実に簡単な造り(Logitec製らしい。さすがだ)で、 フォトインタラプタが2組とスイッチがあるだけである。


目標

ここではクリックすると色が変わることを目標とする。 2色LEDを使えばいいね。できればクリック中は10Hzくらいで点滅すると最高だ。 左右に流れる『ないとらいだー仕様』もいいなあ。 「やあ、まぁいける」なんちて。

入手した2色LEDは、赤 + 緑(当たり前だが同時に光らせると橙だ) というものであった。10〜20mAの通常のタイプ。

さて、スイッチであるが、C-NO間が使われているようだが、 C-NC間は使っていない。らっき〜。 つまり、NCに何らかの回路を付ければ、マウスのUSBインターフェースに 一切影響を及ぼさずに『クリック色変え回路』を組み込める。

ここで私は東急ハンズに向かった。回路図も描かずに、である。 実は理由があって

  1. 横浜にはパーツ屋が3つある(元町エジソンプラザ内に数店、 あと横浜駅西口の東急ハンズとALiC日進)が、いかんせん手に入る パーツの種類が少ない。だから回路図は店頭で描こう(笑)
  2. おまけに最近のパーツ動向(CMOS IC、LEDなど)に私は疎い。
元町に行くのはしんどかったので、まずは西口の書店で立ち読み(CQ出版の 規格表シリーズ)でおおよそのパーツの動向を押さえた。

次にALiC日進に行き、いきなり2色LEDの在庫をたずねるとないとのこと。 仕方なくハンズに向かった。

ハンズには2色LEDがあった(おまけにCQ出版の規格表も一通り揃っていた)。 まずいことに、このLEDはカソードコモンである。 なぜまずいかというと、(後述するが)マウスのスイッチは負論理なのだ。 少なくとも正論理に変換する簡単な回路を作る必要がある。

そこで、その場で手に入る部品を見ながら、 クリックすると色が変わる回路について3つの計画を立てた。

  1. CMOSでLEDを直接ドライブする: なんとその場にあるICは(TTLも含めて) は10mA取れるものがひとつもない。ボツ。
  2. トランジスタで正負の変換: 回路図を頭の中で描けないのでボツ(笑)。
  3. CMOSスイッチを使う: これをひとつゲット。
  4. 簡単な発振器(10Hzの)を作って、そこへの電源供給をスイッチで コントロールする: これ、後で考えてみたら、正論理だろうと負論理だろ うとNCの端子へはクリックしていないときに電圧がかかるわけで、 少なくとも1. 〜3. のいずれかをかませてバッファする必要があった。 LEDをドライブできる超小型の発振器のキットを買ったのだが、結局後で ボツ。

マウスのスイッチの設計のまずさ

ここでは改造を前提に書いているので(笑)なんともいえませんが、 マウスのスイッチは実にまずい設計をしています。つまり、 NO端子とC端子の間は、スイッチOFFの時開放で負論理の入力回路に接続されてい るわけですが、 C端子側にグランド、NO端子側が入力になっていればよいものを(怒)、 逆になっておりました。したがってそのままでは、マウスをクリックしないとき 謎の電子回路への入力とNC端子がつながっていて、うれしくも何ともない。

そこで回路組込みに先だって、マウスのスイッチのNO端子とC端子の入れ替えを 試みました。

switch board of iMac mouse

スイッチはドータボード(爆笑)に載っているという構造。 ドータボードとの接続コネクタの針金は、同時にスイッチを浮かせる機械的 構造の一端を担っているので、ここで入れ替えるわけにはいきません。 ドータボード上でパッチを当て(笑)なければなりません。
exchange of terminals exchanged terminals

幸い、ドータボードの裏側に配線が出ているので、ここをちぎって、表側 にジャンパを飛ばします。裏側の銅箔をちぎるためには一度、接続コネクタ (とはいってもハンダ付けされている)を外さないといけないのですが、 再度つなぐときに(前述のように)曲ったり浮いたり沈みすぎたりしないように 付けないと、クリック感が変わってしまいます。

余談だけどマウスのクリック感ってこのマイクロスイッチのクリック感なんだよ ね。「○○のマウスはクリック感がよくて〜」とかいってる奴をみますが、 実は100円くらいのマイクロスイッチのクリック感について論じているという(笑)。 同じスイッチを大量に(かつ継続的に)確保しなければならないメーカも大変 だと思う。もしかして特注なのかな。


色を変えよう

え〜、ここからは試行錯誤の結果を簡単に書きますね。

circuit project

まず、色は橙←→緑なわけですが、NC端子の負論理を単純に正論理に変えて アノードにぶち込むと、普段(クリックしてないとき)は緑(= 緑 + 赤消灯) で、クリックすると(NCがオープンになって)橙(= 緑 + 赤が点灯)になる。 これは、iMac前面の電源スイッチのLEDが、スクリーンセーブ時にオレンジ になり、ON時に緑になる故事と正反対である。悔しい。 だが、iMac前面のCD-ROMのアクセスランプがアクセス時にオレンジになる 故事には倣っている。

後述するマウス内の空きスペースは候補はどれも狭くて、 いずれもTTL IC一個載せれば塞がってしまうくらいのスペースです (ここでちゃんとしたパーツ屋を回れれば、もっとピン数の少ない or ピッチの狭いICをげっとできたのに、と後悔)。 というわけで、基板を使わず空中配線でスペースを稼ぐことにしました。
LED driver circuit switch off switch on

出来上がりは写真のようになったわけですが、これでTTL ICがちょっと太った 程度の体積。

switch on

簡単に電源がショートしてないか調べてとりあえずUSBポートに接続 してみると(こゆときホットインサーションできるUSBって便利ね)、 写真のように見事に成功。

後は回路を空きスペースに収めるだけなのだが……。


無念の空きスペース

最初にあたりは付けてたんだけど、 マウスの中に余分なスペースを探さないといけない。 いくつか候補があるのだが

  1. マウス(上面から見て)左後、USBインターフェースチップの丁度裏側
  2. マウス右、Y軸センサの横
  3. マウス後、ボールの丁度斜め上
3. は上から見たとき黒い塊(パーツの)がちょっと透けて見えてしまうので、 あまりルックス的によろしくない。で1. か2. になるのですが、 出来上がった回路を挿入してみるといずれも(一応3. も試した) 蓋が閉まらない……(泣)。
cannot close the top

というわけで、回路は思いっきり簡単に(というか色が変わるのはとりあえず 諦めて)電源を入れるとマウスが光るだけになってしまいました。 2色LEDを使っていますが意味なし(笑)。 残念無念。

circuit at last

LEDも入らない?

さてLEDは適当に位置決めしてセロテープで貼ってしまえば終わりなんですが、 当初はアップルマークが光るようにしようかと思ったのね。ところが (多分アップルがマウスを光らせなかったのも同様の理由だと思う) この部分って、ボールの白・緑が見えるようになっているわけでしょ。 LEDで塞いでしまっては……。

というわけで、マウスのボタンの下のどこかにしました。

LED on the center (failed)

最初は中央に位置させて無理矢理蓋を閉じたのですが、なんとか動く。

ところが、(実はこの改造が一段落してメモリを増設してまた起動した) ちょっとした衝撃でY軸のフォトインタラプタが外れて(つまり後部が 若干浮き上がった状態になっている)、反応しなくなってしまったのでした。

こりゃいかん、というわけでLEDを比較的余裕のある左側にずらしました。 蓋はちゃんと閉まったとさ。なお右側はY軸フォトインタラプタがあるので 余裕はないです(あっても光り物あまり入れたくないし。基板の一応、 裏表にはなってるけどね)。
LED on left (1) LED on left (2)

左右対称ではなくなったけど、右利きの人だと丁度、掌の間から光が漏れて 美しいし、iMac本体前面のCD-ROMドライブのアクセスランプが 左にずれている故事に倣って、なかなかよろしいのではないかと(負け惜しみ?)。


野望

え〜、改造が50%達成(というかたりゃ的には20%くらいの達成感だ。 中学3年生の夏休みの工作レベルを狙っていたのに、これぢゃ小学4年生の 夏休みの工作だ)なので、再チャレンジしてみることにします。 方針としては、10〜20mAとれる1/20〜1/30インチピッチのTTLかCMOSの チップを入手して、ちゃんとパターン起こして回路組みたいんだけど。
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