オゥ、イッツ・ア・ヴィディオゥ(メーカー違い)


ディジタルビデオカム
★★

約7年前、フリーソフトウェアのゲーム『nlith』をSONYのフリーソフトウェア コンテストなるものに応募し、準優勝でもらったのが8mmビデオのハンディカム TR-707である。そのわずかに前、中古でモノラルの第一世代機TR-505を 買っており(約3、4万円)、本当は賞品は505だったのだが、 同じものはいやだとだだをこね(半分本当(笑))、無理やりステレオの707にして もらったという経緯がある。

その後、調子が悪くなったり修理したり(他は良くてもモーターは×のソニーである)、 しばらく使っていなかった。 2年前からはディジタルカメラに夢中になったせいも あるが、基本的に『手振れ防止』『ディジタルズーム』など新機能がどんどん追加 され、買う気になれなかったのが本当のところである。

さて今年になって、ぬわんと光学系、CCDと高速のA/Dコンバータ、 MPEGエンコーダ内蔵のディジタル大容量記憶装置がパスポートサイズになって 登場した(笑)。動画圧縮の研究を学会でみていたとき(いや、今でももちろん あるが)からすると信じられぬ。それも3、4年前の技術である。 ふと気づくと今年の冬のボーナスのお買い物の一つはこれになっていた (年明けに中国に行く、その前に慣れておきたいというのには丁度良い時期であった)。

ディジタルビデオ(以下デジビと勝手に略す(笑))そのものと、ここで述べる私が買った SONY DCR-PC7に ついてはここに新登場時の 細かい論評があるので(実はこれを読んで買ったも同然である)、 そちらを見ていただくとして、ここでは『たりゃもの』的批評を加える。


画質など

はっきりいって、画質はそんなによくないねー、というのが印象である。 記録系はよいのだ。MPEGによる(? だよね)圧縮で、静止画にしたとき一コマ 一コマ取り出してみても、デジカメ並みの品質である ことがわかる。 また、記録系だけをみてみると、圧倒的にデジタルが背景などの均質さを 誇っているのは、同時期に使い始めたPerfecTV 放送の映像をみても明らかだ。

しかし問題なのは光学系、撮像系である。 光学系であるが、デジカメでよくカタログスペックで 問題にされ、ユーザも踊らされがちなのが『CCDが何万画素』というあれである。 それよりもレンズのF値がどうで、何群何枚構成で、また色の自然さは、といった あたりが重要なことにどうして気づかないのだろうか。といったあたりは デジカメの項で触れるので置いておいて、 それよりもデジビでは、やはり暗いときにCCDが色むらを起こすとか、色ずれが 気になるとか、そういったところでマイナス評価をつけざるを得ない。 その後の記録系は、圧倒的にディジタルの勝ちであるが、そこにぶち込む映像を 作る部分がやっぱり家庭用よね、ということである。

それよりも言いたいのは、実は アナログビデオは粒粒でディジタルビデオは滑らか であるということである。 どうしてアナログの記録系がざらつくか。それは、アナログの記録メディアはすべて ディジタルな微粒子(例えば写真の感光粒子とか印刷の網点とか磁気テープ中の微小な 磁区とか)の1・0の具合いの平均に頼ってアナログ信号を記録しているからである。 画像をキャプチャした事がある人は、例えば暗い背景などは、緑や青の細かい点で できていることに気づくだろう。また網点印刷のエッチ雑誌をスキャナで撮った webページの写真はそれと区別がつく(モアレのパターンが出るからである)。 つまり、アナログメディアがアナログ信号を記録している根拠というのは、 『ある区画を均してみるとうぐいす色でしょ』とか、そういう事なのである。 それに対してディジタルメディアでは、マス目は四角に区切られているものの、 その中は均一にうぐいす色であったりする。いくら拡大してもうぐいす色の長方形が 現われるだけで、緑と青の斑がびとびとであったりすることはないのだ。 これがデジカメ代わりに使えるかどうかにつながる。 ただし撮像系は前に述べた通り(アナログノイズが加わる) なので、十分の光量があって十分ピントがあっていれば、の話。


静止画キャプチャボード

使ってみるまでその便利さ・良さは分からない、というものがある。 一応私も、アナログビデオで撮像したものを静止させてアナログキャプチャボードで 取り込んだ映像を知っている。とてもデジカメと比べられたものではない。 ところがデジビのキャプチャボードはそうではなかった。

一応、カメラ自体に『カメラモード』はあるのだが、これは何のことはない、 一瞬の映像を静止させて(ファインダーにはシャキッとシャッターが降りる アニメが表示されるのが可愛い(笑))、7秒間(= 210フレーム)連続で テープに記録するというだけである。確かに音声も7秒録られるので、 ナレーション付きでスライドみたいなのを作るにはこれでもよい。

しかしデジものといえば。 やっぱり資源の再利用である(それが仇(著作権問題のクリア)になって 据え置型ビデオの発売予定が延びているらしい←後述)。 動画クリップができれば よいのだが、そうでなくても静止画をサンプリングしてページに貼りたい、 それが人情だろう。 現時点で動画を取り込みたければ、いったんアナログで出して アナログキャプチャボードで取り込むしかない。この場合でも、背景の均質さなどは アナログビデオカムに勝るだろう(多分)。

んでもってPCのISAバスに挿さるSONY製のボードを買ってきた(型番は今、 筐体を開けないとわかんないので不明。 SONYのページを見てね)。 ソフトも付いて4万円、これはPCの周辺ボードとしては異常に高い。

さてソフトであるが、Win95とWin3.1で動くものの、インストールは95流でなくて いささかしんどい。実に『割り込みがかち合っています』かなんかの理由で、 DIPスイッチを切り替えなければならないのでは、そうおいそれと使ってもらえる というわけにはいかないのでは。

さてさて、このボードで取り込んだ映像は、実に綺麗である。 アナログビデオカムの映像をアナログキャプチャボードで取り込んだものに比べて、 前述のように背景の均一さは目を見張るものがある。そればかりか、 多少カメラが揺れていたりズームを引いている最中の絵でも、 キャプチャーソフトのメニューの『インターレース処理』→『動き検出』で 通常のデジカメで撮ったような映像に綺麗にできるのだ!

このメニューは、本来1フレーム中の映像が動いていても、動いている物体が シマシマにならないようにという加工メニューである。 インターレース方式で撮像は1/30秒の間に、まず1、3、5、7、……本目の 走査線の映像を取り込んで、次に(1/60秒ずれて)2、4、6、8、……本目の映像を 取り込む。このため動いている物体は前と後ろの部分にシマシマが出来てしまう のである。 これを均す処理なのだが、要するに完全に1/30秒のシャッタースピードで撮影した 1枚の絵になってくれるため、デジカメに劣らない映像が撮れるというわけだ。

さてところで、このキャプチャボードが動画をキャプチャリングできないのは 単純に著作権上の問題であるようだ。 ソフトの対応次第では動画も取り込めるようになる可能性があるということである。 実にソフト上のビューアでは再生中の動画が表示されているのだ(笑)。 あと動画もクリップ程度なら取り込める裏技(?)がないわけではない。 連続キャプチャリングというメニューがあるので、1フレームごとに取り込むように しておく。あとは連続した大量の静止画を全部BMP形式でセーブして(やたら巨大な ファイルが大量にできる)、これを各種ツールでAVIなどの動画に変換すれば 一応、動画クリップができるはずである(試していない)。


どうしてDVデッキがないか

ダビングしても画質が劣化しないというのは考えてみればすげーうれしいことである (笑)。カメラ撮りした映像を編集するとき、画質が劣化しない ように気をつけながら編集する。それをまた人(一緒に旅行に行った人など)に あげたりするとき、さらに画質が劣化する。ディジタル・トゥ・ディジタルの ダビングがありがたいのは、そういうことである。

現時点ではDVデッキ(正確にはミニDVなのだろう。電器屋に行ったらもっとでかい サイズのテープを売っていた)は売られていない。これは著作権上の問題だという ことだが、確かにCSディジタル放送をそのまま 録画して、ダビングしても画質が劣化しない、それじゃソースを作って生活 している人はたまったもんではない。 DATのダビング禁止コード(SCMS - これはひどい規格である。自分で作った作品の ダビングを禁止する割に、ダビングは一回たりとも必要ないはずのCDの 違法ダビングを許すのである)を外す機械(万歳!(笑))なんてものがあるくらいだが、 ビットレートもかなり速いし(そういう機械を作るのが難しくなる)、 禁止コードでデッキが止まる程度では駄目なのだろうか。

とにかく、現状では自分で撮ったものは禁止コードが一切付けられず、 デジタルビデオカム同士をDV端子で接続すれば編集はできる。 しかしアナログ入力がビデオカムには一切ないので、 私の夢である『VHSで撮ってあるもの全部小さくする』のは、当分Hi8でやるしか ない(それもアナログで画質劣化があるのだから嫌になる)。

ちなみにVHSとHi8では体積比は7:1であるが、VHSとDVではなんと13:1にも なる。もっとも最長テープを使ったときの時間当たりの体積比は 7:1:1.5(標準同士)、5:1:1(長時間モード同士)であるから、まだ8mmの方が 有利である。

もっとも世間ではメディアが普及する理由は『えっち媒体に使われること』、 画質も悪くテープもでかいVHSが廃れない最大の理由であり、↑のような理由で 8mmやDVを重んじる私とはちょっと違うようだ。でもHi8のテープも最近、1本 300円を切ったし、これって『うちの子供を撮る』バカ親、 いや親バカに感謝しなくっちゃね、 である(笑)。DVも事の次第によっては来年の今頃は一本500円程度になっている かもしれない。


結論

まあ小ささと画質で★★まではいくのだが、その後の展開が見えないので 打ち止め。


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