ぴーひゃららら
Road Warrior Telecoupler II
★★★

その昔、モデムが300bpsだった頃、っても若い人(←うわ、ぢぢくさ)にはわから んだろうね、大体今のモデムのふつーが28.8Kbpsとか33.6Kbpsですから、その 100倍遅いと思ってもらえば良い。ロードに30秒かかるえっち画像があったと 思いねえ。それが50分かかるわけよ。そういう時代があったのよ。

で、そういう時代にパソコンと電話回線の間に何が入っていたか。「モデム」。 ぶー。そりゃまあ300bpsも後期にはそうなりましたけれども、普通 あなたのパソコンは RS-232C←→モデム←→電話線 となっているわけですよね。その当時は →スピーカ→ →送話器→ RS-232C←→モデム 空気 電話線 ← マイク ← ←受話器← ってこれ冗談じゃないっすよ(笑)。

これを音響カプラといいます。間に電気信号じゃない部分、空気が 入っているので、あまり忠実に信号が伝わりません。 したがって1200bpsになったときには既に音響カプラというものは 姿を消していました(と思う)。

これが1985年の話(たしか)。

当時電話代が大変なので、深夜にバイト先で電話をちゃっかり使ってパソコン通 信のBBSのアクセスポイントにアクセスしてました。テレホーダイなんて夢のま た夢、『電話は喋った声を通すもの』なので、データが通るからって割り引きが あるわけぢゃない。私は月3万とかで済みました(!)が、中には月数十万(地方の 人ね)なんて強者もいました。

んでもって(そういう苦労話をしたかったわけではない)、バイト先のその作業部屋 (普通のマンションの台所だった)のテーブルの上に、音響カプラを放り出して、 当時日本最初の漢字が使える16ビットのラップトップであった(初の自前『ぱそ こん』でもあった)FM-16πというのを放り出してアクセスしていたわけです。 そのとき生まれて初めてメールもらったのが漫画家のすがやみつるさん(って 話はどこかにも書いたか)。で、この世界から抜けられなくなったわけですが(1 年後にはバイト先の関係で、ほんとのインターネットの世界にもどっぷり(笑))。

で、その テーブルの上をごんと叩く とか はっくしょん とかいう物音が近くでするとですね、化ける訳なんですよこれが間に空気が 入ってるもんで(笑)。

面白い話をしましょう。その時代は300bps、ってことは今みたいにモデムは 『しゃー』と言わず、『ぴーひゃららら』(FAXのネゴシエーション音に その名残を見ることができますよね)と言ってました。 んで、その時代の人は『モデムってのはデータと音を変換する装置』というのが 体感できたわけです。どうやって体感したかっていうと、あれです。 文字が送られていないときにカプラに向かって わん とか ぎゃ とか叫ぶと、それがデータに変換されて画面に文字として表示されるわけです。 ですから、『常に同じ文字を表示させる遊び』、さらにエスカレートして 『好きな文字を表示させる遊び』(ってこれはまさか成功しませんでしたけれど も)なんていう、今では信じられない遊びをしていたものです(おまえだけだよ)。

もう一つ余談ですが、フロッピーディスクなんてモノが一般ぱそこんユーザに普 及する前は、プログラムやデータをカセットテープに録っていました。 データを音に変換するという意味では同じ原理です(モデムの規格とは互換性 なかったですけどもね)。それが300bps、高速なやつで1200bpsとかだったので、 もしかして今の技術を使えば9600bpsとかそれ以上も夢ではないかと (って今日び何に使うわけ?(笑))。


モバイルの苦労

例によって 前振りが長くなってしまいましたが(肝心の音響カプラの技術的説明まで入って しまったしね)、まだまだ前振りは続くのでした(笑)。

ここからは近年、もばいらーと呼ばれる人々なら共通にわかるであろう苦労です。 まだもばいらーでない人も、これを読んでこっちの世界においでませ(笑)。

思うにもばいらーの定義って、『移動先でパソコン(またはPDA)を使ってネット にアクセスする人』というよりは 1時間(あるいは1日)メールを読んでいないと 不安になる人(爆笑) ではないんでしょうか(笑)。

ですから、そう感じる不肖私なんぞも、出張とか旅行とかあると必ず愛用のりぶ蔵にモバイルセットを持っていくのでした。 モバイルセットとは携帯電話PHSPIAFSカード、 それに巻き取り式モジュラケーブルであるところの 巻き取り君、モデムを接続しても安全かどうかのチェッカ、 さらに壁についているのがモジュラコンセントでなくて古式ゆかしい ローゼットである場合のためのプラスドライバーと片側がミノムシクリップに なったモジュラケーブル(おい)。 何でこんなに持っていくかというと、どれが 使えるか分からないから。まあ全部合わせても400gくらいなもんですが。

さてではこのセットでネットに接続できない場合というのはどんなもん でしょう。簡単ですね。携帯もPHSも使えなくて、なおかつホテルの壁が 破壊不可能な場合(笑)、あるいはピンク公衆電話しか近くにないとかね。

そんな場合のために、現代版の音響カプラがある、というのは知っていました。 げっとしたのはこの9月。2回も連続で↑のような環境に旅行した直後の ことでした。

ゆけ、旅行戦士!!

高速版の音響カプラとして有名なのがこのRoad Warriorシリーズの Telecoupler。Road Warriorシリーズというのは、名前からしてももばいらー の味方、要するに携帯端末や移動通信用の便利な機器に冠された名前なの でした(メーカー名?)。

モノは非常に簡単で、先の図でいえば『マイク + スピーカ』の部分だけ です。一応電源(006P)が必要で、中にアンプとか(この速度だと位相補償 なんかもやってるのかな?)入ってるみたいです。そりゃ入ってるか。

じゃけん、どうやって使うかといえば、普通にモデムの先にモジュラケーブル をつなぐべきところを、ロードウォリアのジャックを挿して、本体を 送受話器と『69』みたいな形にして(えっち)、そのままバンドで緊縛して しまいます。

あとは

ってな要領でOKです。

いやーつながってびっくりしましたね。大体28Kでつながるし、実行転送 速度も22K以上でているみたいです。さすがに昔の経験があるので、 近くで「ごん」とか「はっくしょん」とかやってみませんでしたけれども。

こんなロードウォーリアでも使えない場合があります。 当たり前ですが、 送受話器の形状の関係で『69』が密着しない場合ですね。 わかっている範囲で書きます。

でもこのマイク・スピーカ部の設計は非常に上手くできていて、 ファッショナブルな電話機でも大抵はうまく密着します。 どちらかというとNTTのいかにも『まぢめっ』っていう形状の電話機の方が密着 しない。要するに開口部があまり大きくないので、小さい方がいいようです。
結論

実は書いている時点でまだ旅先で(しかもこれ使わなければいけないところで) 使ってみていないのだけれども、とりあえず28Kとかで使えるその驚異に ★★★です。といっても音響カプラの歴史を知っていなければ、まあ 使えて当たり前と思うだろうからこの凄さは分からないでしょうが。